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生きてる心地がしないのは、サバイバル脳のせいかもしれない。

こんにちは。
ヨガインストラクターのemuです。

自分に起こっている事が、他人事のように感じられて生きてる心地が全くない。
これは「解離」という現象です。

つらいことがあった時などに働く脳のしくみで、
出来事を自分から切り離すことで苦痛を軽減することができます。
交通事故にあった瞬間のことを覚えていないのも、この解離にあたります。

交通事故のように一瞬のハプニングに対して作用し、すぐに元に戻るなら何の問題もありません。
しかし、この解離が日常的に起きてしまうと、何を食べても、誰といても、何を見ても、全く何にも感じられなくなるのです。

自分が抜け殻のように感じられ、世界から切り離されている感覚がして、生きてる心地がしなく、何もかもどうでもよくなります。

日常的に解離が起きてしまうのは
「サバイバル脳」の可能性があります。


サバイバル脳ってなに


まずは脳の構成を超簡易的に説明します。

人間の脳は大きく3つ分けられます。
爬虫類脳、哺乳類脳、そして理性脳です。
この順番に下から上に向かって発達していきます。

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①爬虫類脳
食べ、眠り、目覚め、泣き、呼吸し、老廃物を排出するなど、生まれてすぐに新生児が出来ることを司っています。
根本的すぎて意識できませんが、最も古い脳なのでメンタルにおいても睡眠、食事、呼吸、消化などはかなり重要です。

②哺乳類脳は情動を司っているところ。
持って生まれた気質と経験に応じて形成されます。
脳はたくさん使うほど発達するので、安全で愛されていると感じれば脳は遊びや協力が得意になり、脅威を感じることが多ければ、これ以上傷つかないように感情を管理するのが得意になります。
主に幼い頃の出来事によって形成されますが、後の経験によっても大幅に改変できます。

③理性脳はその名の通り、理性的な脳。
私たちが普段意識しているのはここです。何かを計画したり不適切な行動を抑制したりしてる。


さらに右脳と左脳があり、
右脳は音楽的な役割
言葉で言い表すことのできない場の雰囲気や声のトーン、表情などを読み取る役割をしていて
左脳は論理的な役割
言語を組み立てたり、筋道を立てたりする役割です。

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今回、参考にした本
https://www.amazon.co.jp/身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法-べッセル・ヴァン・デア・コーク/dp/4314011408
では爬虫類脳と哺乳類脳を合わせて
「情動脳」としています。

情動脳は身を守ることが主な仕事で
危険を感じると、理性脳よりも古い脳である情動脳が主導権を握り、精神的にも肉体的にも異なる方向に向かわせてしまうことがあります。
メンタルを改善するためにはここを知る必要があります。

サバイバル脳とは日常的に危険を感じることによって脳が学習した身を守る方法です。
サバイバル脳となると同じ出来事によりPTSDとなったのに、脳は違う反応を見せます。


サバイバル脳のPTSD


「身体はトラウマを記憶する」では
カナダで史上最悪の87台の玉突き衝突事故に巻き込まれ、PTSDと診断された夫婦の脳スキャン画像が比較されていました。

まず、運転席に座っていた旦那さんのフラッシュバックしている時の脳は、
右の大脳辺縁系と視覚野が活性化して、左の前頭葉のブローカ野(言語中枢のひとつ)の活動が著しく低下しました。

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つまりトラウマが今まさに起こってるかのように右脳は反応するのに、左脳がうまく働いてないので、過去のことだという自覚ができない。

だからトラウマを負ってからいつまで経ってもトリガーに対して脳は闘争/逃走反応を出し続けてしまうのです。


一方で、助手席にいた奥さんのフラッシュバックしている時の脳スキャン画像はほぼ真っ白でした。

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なんと、脳のほぼあらゆる部位の活動が低下して思考停止状態でした。

この奥さんは幼い頃に母親から意地悪く接しられていました。
そのうち、母親に怒鳴りつけられているときに脳は頭を空っぽに出来ることに気づきます。
この"頭を空っぽにする状態"を何度も繰り返していくうちに、つらいことがあったらすぐに解離することができるようになります。
これがサバイバル脳です。

だから同じ出来事を経験した2人でも、全く脳の反応が違ったのです。

問題は、このサバイバル脳は他人から気づかれないという事です。
考えたり、深く感じたり、思い出したり、今何が起こっているか理解することができないが、周りから見たら普通に見えてしまう。

家庭内や学校内で何がトラブルを抱えている子供たちは、問題となる行動をする子供は注意を引くのに対して
サバイバル脳になり頭が動かなくなっている子供は、誰にも迷惑をかけないので、放置されてしまう。

そのうち訳の分からないまま大人になり、強い現実消失感により「生きづらさ」を抱えてしまう。

この生きづらさから回復するためには、ストレスを処理する"扁桃体"にアプローチすることが必要です。
これには、認知行動療法などの"思考"によって行うトップダウンの方法と
"呼吸や身体"を使うボトムアップの方法があります。

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実はPTSDの場合、認知行動療法だけでは効果がないことがあります。

身を持って危険を経験してしまうと、頭で分かっていても身体や心で覚えてしまうからです。
これを解決するのがボトムアップの方法です。
呼吸を使った瞑想や身体や呼吸を同時に使うヨガなどがここにあたります。

ヨガは思考を使う認知行動療法と違って、実際に体験することができるので、切り離されてしまった身体を取り戻して「生きてる心地」を感じられるようになります。

しかし普通のヨガでは、トラウマサバイバーにとって"早い"ことが多いです。

正しいポーズを取ることに意識が持っていかれてしまい、呼吸をこらえて、頭を空っぽにしてしまうでしょう。
トラウマセンシティブヨガでは、トラウマサバイバー向けのゆったりめのヨガで、誰との競争でもなく、自分との対話を大切にしています。

次回は、ヨガについてより詳しく書いていきたいと思います。

読んでいただきありがとうございました!スキやフォローをいただくと、とっても励みになります^_^
ではまた〜

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