未来志向を促す、地域のファシリテーターって?〜須坂市地域づくり委員会ファシリテーター研修より
皆さん、こんにちは。
エンパブリックの渡邉です。
この記事は、先日須坂市地域づくり委員会様よりご依頼いただきスタッフ渡邉が講師を務めた「地域資源のデジタル化を推進し、デジタル人材の育成事業ファシリテーター研修会 」の開催レポートになります。
地域でデジタル化を進めていくにあたっては、ただ作業的に地域にあるものをデジタルに置き換えていくということだけではなく、
地域の住民の皆さんが持っている「もっとこうなったらいいのに」「もっとこういうところが便利になったらいいのに」という思いを引き出し、それを一緒に話し合いながら、良い地域への変化に向けてデジタルを活かしていく人材が大切になります。
須坂市地域づくり委員会の皆さんは、まさにそのようなデジタル化を進めていくにあたって、人々の声を引き出す機会や場を作り、一人ひとりの声を聴く「ファシリテーター」の必要性を感じられていたとのことでした。
そこで、弊社が事務局を担当している「まちむら寄り添いファシリテーター養成講座」の存在を知り、研修依頼をくださいました。
未来思考を促す、地域のファシリテーターって?
地域のデジタル化を進めるためには、より地域の根本的な困りごとや課題を共有していくことが大切ですが、「地域課題解決」というと今目の前にある課題をどのように解消するかという議論になりがちです。
これまでの課題解決では、解決すべき本質的な課題を1つ見つけて集中的にアプローチするという考え方が主流でしたが、
変化が激しく、様々な課題が複雑に絡み合っている今の地域では、同じ課題を共有しつつも行政・企業・市民など、立場の違うステークホルダーができることを複合的に考えていくことが必要になります。
そして、そのような人々が同じ目標に向かって歩んでいくためには、1つの課題だけではなく、その先にある現状にとらわれない「未来(ビジョン)」を共有することが大切です。
だからこそ、話し合いを促すファシリテーター自身も未来志向の視点を持ち、ありたい未来に向けて、いろんな人で共有できる「問い」を作り、人々の話し合いを促していくことが求められます。
そこで、今回の研修では、参加者の皆さんに「地域のデジタル化についての対話を作るプロセス」を擬似的に体験していただきながら、ファシリテーターが意識するポイントを紹介しました。
中でも、皆さんが想像するデジタルが広がった地域の良い未来イメージと現状のギャップから問いを生み出すグループワークでは、どのように考えたらいいのかと頭を悩ませる場面も見受けられました。
ファシリテーターは「問う」
私自身もそうだったのですが、なかなか「問いを作る」ということがファシリテーターの役割であるとはパッと思いつかないではないでしょうか。
立場を超えて「これは私の問題だ」「私も一緒に考えたい」と思える良い「問い」があることで、人々の主体性を促すことができるだけでなく、
「話してよかった」「いろんな人の意見が聞けて楽しかった」に留まらず、人々の気づきや次の行動にもつながっていきやすくなります。
また、ファシリテーターの手腕に全てがかかってしまう話し合いではなく、参加者が自ら話はじめ、ファシリテーターが場の心理的安全性を守り、いろんな人が話しやすい場を作ることに集中するためにも、場の全員で明確に話すことを共有できる「問い」の存在はとても大切になります。
日々の中で「問い」を意識して生活している方はなかなか少ないですし、私自身も「問い」の道(?)はまだまだ修行中ですが、
ファシリテーションに興味のある方、この記事を読んでくださっている方、ぜひこの機会に「問い」について一緒に考えてみませんか?