「質問」と「問い」ってどう違うの?-問いを考えるときの視点-
みなさんこんにちは。エンパブリックの瀬沼です。
今回はempublic Studioで毎月開催している「studioワールドカフェ」の問いがどのようにできているのかお伝えしたいと思います。
ワールドカフェの問い
studioワールドカフェでは毎月3つの問いを皆さんと一緒にワールドカフェ形式で対話しています。
今月はこの3つの問いで対話を行いました。
studioワールドカフェで取り扱う問いは、スタジオの他のセッションの中から「さらに深めたい」と感じたテーマや「最近感じている自分のもやもや」「studioのメンバーに問いかけてみたいこと」などを起点に初めての人でも対話しやすいような問いの形にして、場に出しています。
今回は②変化が早い時代に年長者の経験からのアドバイスが活きるときってどんなとき? の問いがどのようにできたのかをふりかえりながら問いの成り立ちをお伝えしたいと思います。
問いを真ん中に置くために
ワールドカフェは問いを真ん中に置いて対話を行います。
empublic Studioでは個人の思いを起点に問いを考えていくことも多いですが、その時に「お題を提供した人」に偏った問いではなく「テーブルの真ん中に置けるかどうか=誰もが平等に対話できるテーマか」を意識することが大切だと感じています。
言葉遣いが少し変わるだけで、問いから受ける印象は大きく変わります。そのため、ワールドカフェの前には毎回「テーブルの真ん中に置ける問い」になっているかどうかを意識して問いを整えています。
「変化が早い時代に年長者の経験からのアドバイスが活きるときってどんなとき?」の問いができるまで
では簡単に今回、「変化が早い時代に年長者の経験からのアドバイスが活きるときってどんなとき?」という問いができた経緯をふりかえりたいと思います。
最初の問いは、empublic Studioラジオに届いたお手紙の中の問いから始まりました。
最初にオープンクエスチョンにしてみました。
続いて、「年長者のアドバイス」に対して「年長者からのアドバイスは活かせる」と思っている人と「年長者のアドバイスは活かせない」と思っている人の両方の方がいるのではないかと感じました。
特に、年長者のアドバイスが活かしづらいと感じるのは、変化が早い時代にこれまでと同じ判断基準やアドバイスを活かすのが難しいからなのではと感じています。
ここで、どちらの人でも取り残さずお互いの意見を言えること、
これからの社会にとってどんな意味があるのかを考えられること=参加する価値を見出せるか?
の2つの視点でさらに問いをブラッシュアップしました。
対話の問いを考えるときの視点
個人の思いを起点にするとどうしても知っている人同士の内輪の会話になってしまいがちです。そんな時、問題を提起した人を全く知らなくても、参加する価値」を見出せと問いが開いていくのだと感じました。
特に問いを開いていくためには社会的な文脈や大きな文脈と繋ぐことで様々な人が対話する価値が生まれるのではないでしょうか。
自分が参考にしたり、一番良い答えを教えてほしいと思っているのが「質問」
一方で問いは、誰もが私も話したいと思えるものが「問い」なのではないでしょうか。
対話をするときは「それは結局人それぞれだよね」とコミュニケーションをとることを諦めてしまうと対話することができません。
様々な立場を行き来しながらどんな人でも参加できる問いづくりをこれからも心がけていきたいと思います。