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リバーブックス日記 2024.10.20(日)

2024.10.20(日)曇り後晴れ 12/23℃

朝起きたら気温13℃。いきなり初冬が来た。秋はどこへ行った。
外に出て寒いという感覚を久しぶりに思い出す。シャツにスエットを重ね着して出勤。秋冬は何を着て行こうか考える楽しみがあると言えばある。

13時に開店して、ポツポツとお客様がいらしたけれど、その後ピタッと止まる。寒いからか、店の前の人通りが日曜にしてはとても少なく感じる。空いているうちに、と店内の掃除や模様替えをしてからふと気づくと、最後のお客様が帰られてから1時間以上誰も来ない…。急に不安になってくる。SNSでエゴサしても、出てくるのは自分の投稿ばかりで、世の中から忘れ去られたような気持ちに。ああ、これから寒くなって、来年の春まで誰も来なかったらどうしよう…

夕方近くまで悶々としていたら、待ちかねたお客様がいらして、その後お客様が続いた。どのお客様もじっくり本を選んでお買い上げに。今日も県外からの方が多く、中には昨日から泊まりがけで来ていてTシャツ姿のお客様も。風邪をひかないように気をつけてくださいね。

結局閉店間際までお客様がいらして、18時に閉店。本当にありがとうございました。売上を締めたら普段から最低限の基準としている額をしっかりクリアできてホッとする。まさに“ぼちぼちでんなあ”という一日だった。

本屋経営だけで生活するようになって半年ちょっと。リバーブックスみたいな小商いは、大勝利を狙うより、大惨敗しない日をいかに増やしていくかが大事なんじゃないかと考えるようになってきた。もちろん商売だから売上増は目指すけれど、でも緩やかに平均値を上げるために何ができるかを考えていきたい。

閉店してから書棚の整理。週末が終わると、本が減ってだいぶガタついている。
僕は前職の出版社時代、書店営業を10年ほどやっていて、そのうちの9年はほぼ毎日ルートセールスで担当エリアの書店に行き、自社の本が並ぶ書棚を整理していた。どの本が売れたかをチェックし、補充注文や新刊の注文をとるのが日々の仕事だった。本が少なくなって書棚に隙間ができることを、“棚が痩せる”と言って非常に嫌った。書棚に空きがあって、売れるかもしれない本がそこにないことは、単純に機会損失だからだ。

この習性が今でも染み付いていて、書棚がガタついていると落ち着かない。
いつもびっしり本を入れておきたい。でももうすぐ月末。あんまり発注かけるとすぐに翌月支払いが来てしまうので、ボリュームは慎重に調整する。サラリーマンだった頃はいかに自社の本を書店に並べてもらうかばかり考えていたけれど、あんまり入れないでと言っていた書店員さんの気持ちも今はわかるなあ。

毎日いろんな書店に行ってあれこれ試行錯誤していた10年間の経験が、本屋を営む今、とんでもなく自分の財産になっている。人生って不思議。



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