リバーブックス日記 2024.11.19(火)
2024.11.19(火)曇り 7/13℃
9時起床。今日は定休日。
SNSに谷川俊太郎さんの訃報。ああ…と思いながらも、享年92才で老衰でのご逝去という生ききった人生に憧れる。間違いなく、谷川さんが遺された膨大な作品群によって、谷川さんはこれからもずっと輝き続けるはずだ。先日会った小学生は、前世紀に亡くなった星新一が大好きだと言った。きっと谷川さんにこれから出会う人たちの人生も、谷川さんの言葉は癒し、励ますのだろう。SNSのタイムラインには、谷川さんを愛する無数の人たちによって膨大な谷川さんの言葉が流れてくる。いいね、と思いつつ、きっと数日でSNSの下流に流れ、デジタルの海に消えていく谷川さんの言葉たちには、紙の本で再び出会ってほしいと思う。そんなことを考えながら、谷川俊太郎さんの本たちを発注。ナナロク社の「あたしとあなた」は谷川さんの詩ができてから、詩を載せるにふさわしい紙を開発したという。そんな本たちに、本屋で出会ってもらえたら嬉しい。
昼過ぎに自宅を出て、店の裏にある沼津丸子浅間神社へ。今後の展覧会で企画していることがあり、お願いと参拝。(もうちょっとしたらお知らせできるはず!)
あげつち商店街を歩いていたら、向こうに魚鳥木のご夫妻と西浦のオールドバスのご夫妻にばったり。共にワンちゃんを散歩していて、ちょっとじゃれる。どちらかと言えばネコ派だけど、犬ももちろん好きだ。
ジュジュカで少し古着を見た後(コートが欲しかったけど大きすぎた)、イタリアンのチュチュルリエでランチ。ママさんにこんにちは、と挨拶したら「ランチ大盛りね?」と返される。この地元感よ。今日のランチはシラスのクリームパスタ。美味しかった。お会計してたら、向こうからママさんが僕が来ていたセーターを指して「そういうセーターが似合う顔してる」と言う。セーター顔ってあるのだろうか。
帰宅して、メールなどやり取り。おかげさまでいろんな出版社の営業さんとやり取りさせていただいている。大規模な出版社の営業担当さんほど丁寧ながら思いっきり事務的なのだけど、これは制作、営業がきっちり分業されている以上仕方がない。僕は出版社の書店営業担当だった頃、注文書のエクセルの向こうに書店で並ぶ本の姿をイメージできていただろうか。一冊一冊の本が届く先のお客様の楽しみを想像していただろうか。全国展開の大手書店チェーンの本部さんからいただく店舗ごとの配本リストに記された部数の多寡ばかりを追いかけていた気がする。20年以上も本のサプライチェーンのいろんな場所に身を置いてきたけれど、今が一番本たちを身近に、大切に感じる。
夕食は近所のスーパーで買ってきたブリの刺身と味噌汁。実家から新米をもらったので、土鍋で炊いた。久しぶりにシンプルな、定休日らしいごはんで美味しかった。
運送屋さんからLINEの通知が来て、今朝発注したナナロク社さんの谷川俊太郎さんの本が明日もう届くらしい。本と、本屋と、読者への愛を感じる。早く店に並べたい。