マガジンのカバー画像

会話体験設計

9
会話体験の設計方法について、フレーム・キャラクター・シナリオの視点から事例を交えて書いていきます。
運営しているクリエイター

#キャラクター

ことばに「人格」をふりかける (会話体験をつくる vol.7)

昔、学校に強烈なキャラの先生がいた。 クラスのお調子者がよく先生のモノマネをしていて、めちゃくちゃおもしろかった。ご本人とモノマネの記憶が混ざるぐらいに。 でも、あれって何をマネしてたんだろう。 会話体験のキャラクター設計今回は、会話体験のキャラクター設計の話をしたい。 キャラクター。キャラクターってなんだろう?辞書にはこうある。 1. 性格。人格。その人の持ち味。「特異なキャラクターの持ち主」 2. 小説・劇・映画などの登場人物。「キャラクターの設定がうまい」 3

言葉のキャッチボールを考える (会話体験をつくる vol.6)

ひとくちに「会話」と言っても、そのなかには、おもしろい会話とつまらない会話がある。 おもしろい会話ってなんだろう……。 今回はそんなお話。 シナリオ設計とはシナリオ設計とは、ユーザーとロボットとの言葉のキャッチボールを考えること。 おもしろい会話を設計するうえで、この「キャッチボール」を考えることがとても大切だ。ここをしっかり作らないと体験がポンコツになってしまう。 言葉のキャッチボールの考え方基本は、相手に「質問」を投げかけることで、会話が展開していく。 質問の

キャラクターの声を演出する (会話体験をつくる vol.5)

今回は、会話体験をつくるために必要な”音声演出”について説明したい。 音声演出とは言葉通り、音声を演出することだ。 わたしたちは、ロボットやエージェントを発話させるときに演出を施している。 実はこれ、非常に重要な要素である。 キャラクターと声でコミュニケーションするとき、その体験の楽しさは音声演出のクオリティーで決まると言っても過言ではない。 なぜ重要なのか? その理由を見ていこう。 ロボットボイスをしゃべるキャラクターキャラクターをしゃべらせるのに、音声合成を使う

相手の意図を待ち受ける(会話体験をつくる Vol.4)

どうも、感性デザイン部 UXライター / プランナーの松村です。 感性デザイン部にいながらロジカルプランナーを標榜している、割とカタメな人間です。 この記事では、会話体験設計には欠かせない「相手の意図を待ち受ける」ことについて紹介します。 「相手の意図を待ち受ける」って? まずはタイトルにも冠した「相手の意図を待ち受ける」の説明から。 例によって、人とロボットとの会話を参考に、説明していきますね。 ここでは、ロボットの呼びかけに対して、ユーザーは「いい感じ」と答えて

そいつに、何をしてほしい?(会話体験をつくる vol.3)

会話体験づくりのファーストステップは、フレーム設計。ここで、ザックリと要素の整理をしていくことになる。今回はフレーム設計の目的やポイントを紹介したい。 フレーム設計の目的 目的は、これ。 「ピントが合った会話」をするための下ごしらえ ピントが合わない会話体験は、苦痛である。 「話を聞いていないな」「通じていないな」。 そんな印象を抱かれると、婚活は失敗だ。 会話体験づくりも同じだ。「こいつ、聞いていないな」と感じさせる設計では、基本、ユーザーにモテない。 では具体

必要なこと(会話体験をつくる Vol.2)

会話体験をつくるために必要なものは、なんだろう。 まずは、言葉。 それから、言葉を伝えるための手段。喋ったり書いたりすること。 聞き取るための耳、読むための目や指。 理解するための脳。 そして、言葉以外のあれこれ。 言葉以外、って? 会話体験の非言語要素実際の会話を想像してみよう。 あなたの友人が、「話を聞いてほしい」と声をかけてきたとする。恋愛相談のようだ。その人があなたに求めているのは、ただ単に「話を聞く」ことだけではなさそうだ。 友人の話を聞きながら、あなた

会話体験をつくる(vol. 1)

人ではないものとの会話。 ほんの10年前ならば、それはファンタジーの世界に属するものだった。だがいまや「モノとの会話」は、日常の中にある。 たとえばスマートスピーカー。 「寝室の電気を消して」とお願いしたり、 「朝7時にアラームをセットしてね」と指示したりもする。 あるいは、人懐っこいロボットと雑談をしたり、 軽口を叩き合うような瞬間だって、あるかもしれない。 会話体験設計って? 会話体験設計とは、こうした機械との会話をデザインすることだ。会話のシナリオ以外にも