WORK ROLES!を読む②~Googleの人事制度から何を学ぶのか
作者はGoogleがやっていることはどの企業でもできることしかない、と言っています。(WORK ROLES!①はこちら)
1、社員に自由裁量権を与えるということ
Googleの社員(グーグラー)は自社の文化を語る際、もっともよく使う言葉は「楽しい」です。「楽しさ」のためなら会社のブランドでだって遊びます。企業のミッションというものは、たいてい市場や利益、顧客が出てくるものですが、Googleのミッションは「理念」であって決して達成できないものです。(「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」というのがGoogleのミッションで、これは決して終わりがない)しかし、作者はここが重要なのだと言います。革命を起こすのは、利益や市場のシェアではなく、理念なのだ。理念がイノベーションを起こし、新たな分野に進出するモチベーションなのだ。誰もが自分の仕事に意味を見出したいと思っている、それが理念です。
また、Googleは社員は善良だと信じて、情報の透明性を大切にしています。透明性を確保することで社員全員が同じ問題を共有でき、社員は自分で考えることができるようになります。上司はたいてい「社員は財産です」と言いますが、もしほんとうにそう思うのであればオープンを原則すべきです。そうでなければ、自分自身と社員にウソをつくことになるし、社員もオープンにすることで自分たちが信頼され、すぐれた判断力を持っていると思われれていることを感じることができるからです。
Googleですら会社の規模が大きくなるにつれ、官僚的になりました。それを打破するために幹部の会議をビデオで流して、幹部がどのようなことを現在考えて実行しようとしているかを広く知らせ、社員一人一人に発言権を持たせるようにしました。そして個人個人が持っている問題点を解決していくことで満足度を高めました。上司が不安に思う程度に自由度を上げるのがポイントです。
「文化が戦略を食う」
理念、透明性、発言権というGoogleの文化が難題に取り組むとき、失敗したときに役立ちました。文化こそが戦略を形成するのです。