腐っていく
君の恋が腐っていく。
太陽も、月も、未来も、過去も、全てがすべて腐っていく。
楽しかったあの会話も。悲しかったあの出来事も。
全てが腐っていく。
君の太陽に縋りたかった。僕の心に縋りたかった。僕は今日も空を飛んでいる。
死ぬことでしか価値を得られなかった自分に、生きようと夢を見させてくれた。
懐かしい風景だった。どこか懐かしいのに、辛い情景だった。僕と君も、ただの背景に過ぎなかった。
未解決のままなあの事件も、壊れた時計の秒針も。全てが歪んでしまったのだ。
あの時飲んだレモネードは、過去を思い出させた。
沼に溺れていた花を目の前に、僕は怯えることしかできなかった。
ーー居場所はあったのだろうか。
ここではなかったのだろうか。
僕の努力が報われたことはあるか。
明日に向かう夕陽を眺めながら、僕はふとそんなことを思った。くだらない感情でも、友情でも、愛情でも。とりあえず生きたらいい。生きられなかったら、また悩めばいいさ。
普通に生きてただけだった。
普通に生きたいだけだった。
どれだけ願っても、必ず明日はやってくる。
何も特別は望んでいない。望む必要がないからだ。
純粋に「生きる」をしたかった。でもそれすらも神様は許さなかった。
僕がどれだけ叫んでも、壊れても、喚いても。結局何も変わることはなかった。
君の背景に、僕の生活がある。
僕の背景に、君の命日があった。
そんな世界で、僕たちは今日も明日も生きていく。
不器用な得もないような世界で、ただゆっくりと歩いていく。
腐っていく。腐っていく。ただただ腐っていくだけ。
※オリジナル曲「君の背景に僕がいる」原案(改良版)