見出し画像

学生相談室についての誤解(番外編):アスリート学生のカウンセラーは競技経験が必要か?

結論からいうと,
競技経験は必要ないと思います。
自分が競技経験なしにやってきたから
そう結論付けたわけではありません。

経験したことがなければ
カウンセリングできないとなれば
どう考えても,ものすごーく限られた人しか対応できなくないですか?
まず,女性カウンセラーは
男性の相談は受けられない。逆も同じです。
教員をやったことがなければ
教員の相談は受けられない?
不登校になったことがなければ
不登校の子どもさんの相談はできない?
DVにあったことがなければ
DV被害者の相談はできない?
そんなことはないので,
競技経験がなくても
カウンセラーはできるはずです。

では,
アスリート学生のカウンセラーをするには
何が必要でしょうか?

それは,理解しようとする態度です。
アスリートも同じ人間ですが
アスリートには独特の事情もあります。
そのアスリート学生さんの置かれた状況の
理解なくして援助はできません。
これはアスリートのカウンセリングに限ったことではありません。

競技経験がある方が良いように思えますが,
仮に全く同じ競技をやっていたとしても
(専門用語は共通で分かり合えるでしょうが)
たどってきた道筋は
決して同じではないのですから、
かえって,わかっているつもりになると
つい,ちゃんと話を聞かずに自分の枠組みで話をとらえてしまうことになります。
そんな態度で「分かる,分かる」って言われて、自分の話をちゃんと聞いてもらえたと思えるでしょうか?

経験の有無よりも
自分の思い込みや価値判断を抜きにして
ただただ,真摯に話を聞いていく、そして
理解しようとするこの姿勢の方が
必要だと思うのです。