イタリアのオヤジは
トレーニングウェアのトレンドはこのところ(いや、だいぶ前から)体にぴったりのレギンスのような感じのパンツだ。ボディラインぴったりのやつである。今、ミラノはロックダウン中だが、一人でならスポーツをすることが許されているので、とにかくジョギングしている人は多い。
ある日、一人の若い女子がスポーツブラのようなトップでお腹を出し、ボトムは例の体にぴったりのレギンスで、ぷりぷりのお尻を揺らしながらジョギングしていた。私はヘテロなので、女の尻には全く興味はないのだが、歩いている私を追い抜かして走り去っていった女子のそのむちむちなボディ強調ぶりを、あっけにとられて眺めていた。「これ、オヤジたちにはよだれモノだよな」と思いながら。
そんなところに、私の目の前から、いかにもスケベそうな禿げ頭のオヤジ2人が歩いてきた。「あ、来た来た。このオヤジ達ならこの女子に反応するよな、女子を見るよな」。賭けてもいい、と私は思った。
が、オヤジ達は全然知らん顔で、自分たちの世界に入りきって会話を続けていた。女子のことを全く見ようとしない。あれ、見ないの? でも、すれ違う瞬間に聞いた会話で分かった。あ、このおじ様たち、カップルなんだ・・・。じゃあ、女子には興味ないか。
そして、しばらく歩いていくと、また違うオヤジが歩いてきた。こちらはロマンスグレーで眼鏡をかけた気難しそうな学者肌。キオスクで買ってきたばかりの新聞をわきに抱えている。
でも、このオヤジがやってくれた。見事に女子を振り返って、女子のお尻を注視したのであった。
やっぱり、イタリアのオヤジはこうでないとね。イタリア男はいくつになってもお尻が大好きなのだ。