メディアが教えてくれないUTMF完走のヒント
先月、球磨川リバイバルトレイルというレースを完走しました。その前は昨年12月にTHAILAND BY UTMBを完走しました。今シーズン?にすでに100マイルを2本。あんまり練習してこなかった2021年、明らかに練習不足だけどなんとかなったのは「引き出し」をフル活用した結果だと思っています。
タイに向けて、レース前にどんな練習をして何をしたのかはTomo's Pitのブログに書くとして、いよいよあと1週間半に迫ったウン年ぶりのUTMFに向けて、わたしの引き出しをちょっと開けて中身を広げてみようと思います。
お金で買えない、たったひとつのもの
はじめてトレイルランレースに出た時も、はじめて100km以上のレースに出た時も、はじめて100マイルに出た時も、はじめて200マイルに・・・とにかく、はじめての挑戦はいつだって不安です。自分の身体に何が起こるのか、そんな長い距離長い時間走ったことがないし、関門とか補給とかとにかくぜんぶぜんぶわからなすぎて、宇宙に飛び込むような気分です。
どんな最新のシューズでもバックパックでもレインウエアでもお金で買えます。よく始めたばかりの頃に「道具が走るんじゃない、自分が走るんだよ」と言われたものですが、お金で解決できるものは解決しちゃってください。
いいギアはね、いいんですよ(笑)自分を鍛えずして鎧ばかり立派になるのは違うとは思いますが、思うなりに練習して、それでいていい道具を揃えてそれで完走に近付くなら、お財布に余裕がある人は買ったらいいと思うんですよ。
だけどね、お金で買えないものだってあります。
初UTMF、初ロング、初100マイルの人がどんなに努力をしても手にできないものがあります。経験です。
完走の秘訣は「経験値」だなんて言われても
100マイルには100以上のトラブルがあるなんて誰が言ったか、とにかく色んなことが起きるんです。どんな局面でも、対応できる力。それが引き出しの多さです。経験を積み重ねていく度に引き出しの数は増えていきます。経験しないと得られないことがたくさんあります。引き出しが多いと、メンタルのコントロールもできます。
歳を取るほど若い人よりも体力が劣るはずなのに、エンデュランスの年齢層が高いことの理由も簡単に説明がつくでしょう。世の先輩方は、人生山あり谷あり、色んなことを経験して、自分の色んな表情、カラダ、ココロをとても良く知っているのです。
経験値がモノを言うだなんて言われても、経験がないんだから仕方ない。初心者には初心者なりの、若いには若いなりの強みがありますが、いまからできるUTMF完走対策としてわたしがオススメできることは、「経験豊富な人達の言葉に耳を傾ける」です。自分が経験してなくても、知ることはできます。ひとそれぞれ合う合わない対策があるので鵜呑みにする必要はありませんが、どんなエリートでも一般ランナーでも、経験豊富なみなさんは成功も失敗もたくさん繰り返していて、完走のヒントをたくさん持っていますよ。
メディアが教えてくれないこと
メディアが教えようとしていないわけじゃないんです。隠し事をしているわけじゃないんです。例えば雑誌なら、単純にスペースが限られているんです。WEBだとしても、0から100まで書き尽くすことってむずかしい。百人百様、いろんなエピソードやいろんな情報があるなかで取捨選択をせざるを得ません。
メディアが教えてくれないというよりも、これまで数々のレースレポートで「ここまでは(書きたいけど)書けなかった」ことを書いてみようと思います。ギリギリすぎて間に合わねーよ!というものもあるかもしれませんが、もしよければ今週いっぱいお付き合いください。
とりあえず、コース分析とタイム表のはなし
過去、初心者ランナーをレース完走に導くまでの連載的なものをいくつかやってきたのですが、なにより驚いたのはコース研究してなさすぎということです。レースへの憧れは強いのに、レースに対して具体的なイメージを持っていない。そんな行き当たりばったりで大丈夫なの!?とびっくりしたのですが、むしろトレイルの様子やコースタイムを下調べしまくり→装備や補給計画に繋げるという考え方は登山ならではなのかもしれないと気付きました。トレイルランニングにもその考え方・準備の仕方がもっと広がってほしい。
どんな山で、どんなサーフェイス(路面)で、例年同時期の朝と昼と夜の気温、湿度、標高やエリアごとの天気、ここは登りが長くて、ここは下りが短いけどテクニカルで渋滞するからすごく時間がかかる、ここは例年水切れを起こす人がおおくて、ここは炎天下だから暑くて熱中症注意、ここは夜に霧が出てライトが見えにくく、ここは風が強くて猛烈に寒いから少し手前で上を着る、ここでは暑いからこれを食べて、ここは寒いからこれを食べ、ここはロードが何キロだからキロ何分で進む、ここをどのくらいのスピードで走らないとあそこの関門にが厳しくなる・・・。どれも、走ったことがなくても、過去のブログや記事を読み漁ったり、経験者に聞けばすぐにわかることです。試走して満足、もちょっと違います。試走だけでは見えてこないこともあります。
それぞれの山の厳しさや歩くとどのくらい時間がかかるのかということも、山と高原地図のような登山地図や今ならYAMAPなどのアプリ、舗装路ならGoogle Mapなどを見ればわかることです。えーっ、歩くとそんなにかかるの!?めちゃくちゃ走らないと!と思うかもしれませんね。なんとなく~ではなく、いかに具体的にイメージできるか。そこまでやるかい、と思うかもしれませんが、強い人の特徴のひとつに「完走への執念深さ」があると思います。できることをぜんぶやる、後悔先に立たずだと思いませんか、なにがなんでも完走したいなら。
ちなみにわたしは「かかったお金を無駄にしたくない、執念深さ」に長けていると思います(笑)
前置きが長くなってしまったので、今回はひとまず過去のアーカイブを紹介します。結構前にUPした記事ですが、定期的に読まれていて、レース再開ムードの最近になってまたアクセスが増えています。
わりと時間がかかるものなので、直前はNGです。今から取りかかることをおすすめします!
次回はウエアの話にしようかな?補給の話にしようかな?なにがいいかな~