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ソフィスティケイトされた「女嫌い」と和製メガリア

ネットの「女嫌い」の言説というと、20年前のそれと比べて随分洗練されているような気がするのは気のせいか。
最近の「女嫌い」は「弱者男性論」(もう散々聞き飽きた「強者女性のせいで弱者男性が酷い目を見る」という論理)や「男は小うるさい女と結婚するより、独身のままで毎日美味い飯食って猫を飼う方がいい」といういわゆるMGTOW的なものみたいな論調が多い。20年くらい前の2ちゃんねる男性論女性論板に多くいたような「エ◯ゲーに出てくるような二次元女と人工子宮で子作り*1したい、リアルにうじゃうじゃいる中◯女×ね」と言い出すとか、女性専用車を「雌車」と称して男集団で乱入するオフを開く*2とかいう「女嫌い」に比べて(破綻している可能性もあるが)「論理」と呼べるもので武装を試みているようだ。尤も、後者はよりその思想を過激化させて行動に移すようなインセル(自称・非自発的禁欲者)による犯罪が日本国外で発生するようになり、非難を浴びるようになって表に出なくなっただけか(潜在的にそういう発言をする輩はTwitterであれ2ch(現5ch)であれまだまだいるが)。
悪質な「行動する保守」をも生み出したネトウヨに対して、彼らをも批判するような「冷笑系論客」と称される人々が、揃いも揃って、一皮剥くか己の前歴がネトウヨという人ばかりなのと似たような現象だろうか。

で、逆に最近みんなが大好きなツイフェミ(のうち特に悪質なアカウント)は、どう見ても20年前の女嫌いの裏返し以外の何者でもないだろう。
あの頃は個人サイトでもなければそこまでアングラでもないところでも(2chは論外)、日本語圏インターネットにはああいう女嫌いと男のホモソーシャリティが跋扈しており、女のネットユーザーは2chでなくともカミングアウトするや否やバッシングを受けたものだ*3。その頃自身が女であると言い出せなかったネットユーザーが、スマートフォンやSNS、ブログにマイクロブログの普及(=インターネットの大衆化)とともに、往年の鬱憤をミラーリングとしての男嫌いな言動に変えていったのが、新参の「わきまえない女」とともにツイフェミやガルちゃん民などに混じっている…こともあろう。おや?これでは韓国のイルベの男と旧メガリアの女の争いみたいではないか。(流石にツイフェミなどからは2022年現在逮捕者は出ていないが)
しかしあの頃の日本語圏インターネットのマチズモの蔓延ぶりをいつかは韓国語訳してイルベユーザーに見せてみたいものである。あいつら自国民の女を「夷狄の男に身を売る、相手の夷狄と同類の尻軽」と言わんばかりに腐す所まで似ているようだからな(2ch住民と違ってイルベ民は「敵の敵は味方」理論で日本には表面だけでも甘いが)。韓国語は今のレベルでは字もほぼ読めないが。

しっちゃかめっちゃかな話になったが、最後に未来予測。
オンラインとオフラインでの男女間の分断の結末には、「人間社会」と称する何かはロボットとサイボーグが構成しているとか、単為生殖かクローンでヒトが殖える時代でも来るのでしょうね。(適当)

*1例え彼らの相手が非実在の萌えキャラであろうと天国にいる72人の処女(フーリー)であろうと、或いはリアル世界の「理解のある彼女」であろうとも、そういう発言をする男が必ずしも性愛だけでの相手とのつながりではなく心理的充足という「愛情」に満ち溢れた家庭、ないし自分と本質的には異質である我が子との親子関係を築くことができるとは私にはまあ思えない。男不要論者の女も含め、「一人一派」な彼らにおそらく必要なのはM・ウエルベック『素粒子』のラストか『ある島の可能性』のようなソリューションであろう。(ネタバレごめんね)
*2 この不謹慎系オフ会の伝統は韓国の日刊ベストストア(イルベ)に渡り、セウォル号事故の遺族のハンストの目前でピザとチキンを食べるオフに継承された、というのは言い過ぎか。
*3 ルーツは腐女子に対する攻撃だろう。ちなみに私もいた場所が悪かったのかよくやられていたため、ネットを使うときは男ぶるクセが着いてしまったようだ。なので、オフ会でよく「女性だったんですね」と言われることが昔からままある。

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