ビジネスxデザインの海外ニュースと雑感(2020.05.30)
今週も最近読んだ海外記事の中で、社会変化を予感させる「ビジネスxデザイン」に関する情報を、一言添えてご紹介します。
時代が変わっても本質的に変化がないものを抑えつつ、急速に社会変化が進むなかで、グローバルの動向をウォッチしていこうと思っています。現代人が1日に受け取る情報量は江戸時代の1年分だったとも言われ、ますます、最新の情報を高速にキャッチしていくことが重要です(元記事)。
先週文はこちら▼
AmazonのユーザーファーストなAI
フォーチュン500にあるアメリカで最も巨大な企業の第2位アマゾンです。コロナの影響によりますますその影響力が高まっています。この記事では、Amazonは、コロナ等の突発的な健康と経済の危機においても、収益を上げるようデザインされていると言われます。その1番の理由が、ユーザーのデータを収集し、分析する独自開発のAIです。ユーザーが何を買うのか、いくらで売るのか、どこに貯蔵しておくのか、といった意思決定をユーザーから収集するデータを分析することで、物の見事に数分で行います。数百万にも及び消費者のデータを瞬時に収集して分析することは、コロナの影響で我々の行動が変わったとしても、すぐに最適化できる、ここに危機に対するビジネスの優位性があると述べられています。この記事からは「変化に対応するためのデータ利活用」という新しいトレンドが読み取れると感じています。ますます変化が激しく予測不可能になっている昨今、消費者行動や経済状況が変化した時に、瞬時にニーズの移り変わりなどを把握することが重要だと感じ、普段のビジネスから顧客や市場に関するデータを集めて、サービス改善に繋げる仕組み(AI等)を使っている企業は強いだろうなあと感じます。
アフターコロナの4つの新しい働き方
Skylumというソフトウェア開発会社のCEOが語った新しい働き方についての記事。変化の源泉は、従業員が「生産性」と「デジタルコミュニケーション」だけに特化することだという。新型コロナの感染拡大により、我々は、在宅勤務を「ラグジュアリー」なフリーランススタイルな働き方という認識から、仕事の新しいスタンダードだと感じ始めている。第1に、オフィスでは一緒にいることが自動的に、チームを結びつける要因であったが、リモートワークでは、お互いが何をしているのか、お互いの生産性がどうやったら上げるのか、といったチームマネジメントが大きな課題になっている。ここが働く上でのトッププライオリティになるだろう。第2に、リモートワークを可能とするデジタルツールに従業員も経営層も慣れてきたことで、たとえオフィス勤務に戻ったとしても、いかにテクノロジーを使って生産性を上げるかにフォーカスされるだろうということ。第3に、企業はいかにして、従業員の感情面に対するサポートを行うのかを気にしており、そこに対する、何か新しいベネフィットを求めるだろうということ。第4に、コミュニケーションの習慣が、より速く、より即座に行うものへと進化するだろうということ。つまり、オフィス勤務の時は伝えたいことがあっても予定があくまで待ったり、会議を入れていたが、アフターコロナにおいては、チャットなどで、伝えたいことがある時に即座に素早く行うスタイルに変化するだろうということです。私自身は、生産性を上げるということに対して無頓着になりやすかった日本の働き方文化が、パフォーマンスやコミュニケーションの可視化によって、より生産的に変わって行くのではないか、そんな兆しを感じます。
フィンランドのコーヒーのサブスクが日本へ
こちらは日本語の記事ですが、私が留学していたフィンランドのコーヒーブランドの話なので取り上げます。日本ではあまり知られていませんが、フィンランドのコーヒーの消費量は世界一で、日本人1人あたりの約4倍と言われています。スラープという名前のコーヒーの定期購入サービスが、ドイツに続いて、日本にも参入するようです。特注パッケージが「北欧」を感じさせるおしゃれのもので、日本で家にいながら異国情緒が感じられ、お店で飲むような美味しいコーヒーが飲めるそうです。また、人によって異なる好みをシンプルな質問に答えるだけで、オススメのコーヒーとその入れ方をリコメンドしてくれるパーソナライゼーション(個人最適化)の要素を盛り込んでいるとのこと。この記事を読んで、「おうち時間を贅沢に」がキーワードになっている、コロナ感染拡大による自粛ムードでは、このような家での「体験価値」を上げるようなサービスが増えてくるのではないでしょうか。
メンターに助けを求める方法
毎週、Derek Siver氏(ブログ著者のデレック・シバースは、元ミュージシャンで、オンラインCDストアのCD Babyの起業家)のブログから抜粋しています。何か問題があった時に、先人たちにヘルプを求めるのは有効な手段です。その時、どんな問題を自分自身が抱えているのか、端的に分かりやすく記述することから始めてはどうでしょうか。状況をまとめ、問題をまとめ、選択肢をまとめ、自分の考えをそれぞれの選択肢に対してまとめる。そしてメンターに助けを求めることで、彼らの時間も無駄にしないし、あるいは、自分だけで問題解決の糸口が見えてくることがあるのではないでしょうか。私も困った時にすぐに人に相談したくなりますが、まず自分に相談することそして、何より助けを求めることができるメンターや人間関係をもっておくことが非常に大切ではないでしょうか。コロナで限られた人間関係に閉じこもりそうになりますが、繋がりを大切にしていきたいと思います。
変わるラグジュアリーブランドの消費者行動
ラグジュアリーブランドの主要な消費者である中国の富裕層は、これまで、海外でのショッピングで買い物をしていたが、コロナ感染拡大で状況は一変した。Eコマースによるショッピングが中心となったが、全てのブランドが対応できているわけではないという。消費者の衛生感度が高まるなかで、リアル店舗のデジタル化への対応にも迫られている。オンラインで商品を予約し、実店舗ではそれを試着し購入する、混雑を避けるために来店予約をするなど、消費者の衛生への懸念を払拭できるサービスが求められている。極力店舗での滞在時間は減らしたいが、今でも試着してから購入したいというニーズを取り込めるかが鍵だという。この記事を読んで、ラグジュアリーブランドに限らず、ホテルや、飲食店、美容室、様々な領域で、密を避けるという衛生的なニーズをトッププライオリティに置きながら、オンラインのサービスをリッチに、店舗でのサービスで安心感を提供することが、求められているのではないだろうか。
===
コロナの状況によって我々のライフスタイルや経済環境、グローバルな移動が変わるなか、ますますマクロ環境の変化をウォッチする重要性が上がっているような気がします。毎日SNSをなんとなく見る時間を、能動的なインプットの時間に変えていきたいと思っています。
Photo by AbsolutVision on Unsplash
いいなと思ったら応援しよう!
フォローやシェアいただけると嬉しいです。