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ドラマーがシンバルメーカーになる話⑤
※写真は去年牧人さん宅に遊びに行った時。2018年はこんな風に遊んでもらえるようになるなんて思いもしませんでした。
2018年11月、山村牧人氏からの突然のDM。
僕にとってはまさに青天の霹靂と言える出来事でした。
というのも、僕は中学の終わりからドラムを始め(本当は幼稚園からやりたかった)、それからすぐにシンバル加工もやり始めたという経歴がありまして、初めは当時島村楽器のドラム教室で教わっていたジャズドラマー"荒巻敬司"氏からシズル(ジャズドラマーがよく使うシンバルに取り付ける釘のようなもの)や、簡単な割れ加工の話を聞き、最初はミニ四駆用のドリル(笑)やハンドドリルを使ってシンバルへ穴あけをしたり、割れたシンバルをリペアしたりといった事を独学でやっていたんです。
Rhythm&Drums Magazineにて特集されていたシンバル加工の記事やコラムなどもよく参考にしていましたが、それらを書かれていたのが山村牧人氏でした。
そんな当時の僕からすると牧人さんは雲の上の存在だったので、そんな方から突然連絡が入るだけでも驚くところでしたが、更にその内容が「シンバルのイベントをしたいので出演してくれないか?」というこれまた驚きというかメール見てる目ん玉が飛び出るレベルの衝撃的なもので、嬉しい反面とてつもないプレッシャーを感じました。
なぜなら出演者の面々が…
日本唯一のシンバルメーカー社長
小出シンバル 小出敏雄氏
独学でシンバル作りを学び、日本人では唯一の個人シンバル製作家
ARTCYMBAL 山本学氏
主催者の山村牧人氏
…そしてワタクシemjという状況。
小出さんと山本さんはシンバルを作る側として、牧人さんと僕はシンバルを加工する側として話をするという内容でしたが、僕だけがあまりにも格が違いすぎて戦々恐々としたものです。
普通に「シンバルに穴あけちゃいましたっ★」みたいなことやっても全く歯が立たないことは明白。はてさてどうしたものか…。牧人さんとイベントの事を相談しつつ、自分の中のシンバル加工に関するアイディアをひたすらに掘り返しては実行という日々が続きました。どうすれば来てくれた人たちを驚かせられるのか?そしてただ驚かせるだけの突飛なアイディアではなく、音楽的に使えるものを思いつけるのか…ということを考えていました。
出演オファーを頂いたのが12月、シンバルカフェ開催が翌年3月。
たったの3ヶ月でその出演者に見合ったシンバルを作らなければいけない、焦るemj、増えていくシンバルの残骸。
だがしかし、ふと目に留まった1つのドラムパーツがアイディアの芽を産みます。
回転する…シンバル…それならつまり…そういうことも出来るのでは…?(続)