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探偵!ナイトスクープに依頼が採用された話

これはただの自慢話だ。

あれはもう15年前になる。

高校生の頃、三年間同じクラスだったかいじーという男子がいた。
彼は194cmという高身長であったということと、性格がめちゃくちゃ明るく面白かったためクラスの人気者だった。

そんな彼が「俺はモノマネでテレビに出るまで就職しない」と言い出したのだ。笑

心配した私は藁をもすがる思いで「探偵!ナイトスクープ」に書をしたためた。当時、いや今も「事件は警察、問題解決はナイトスクープへ」という日本裏文化が確かにあった。(知らんけど。笑)
とにかくすぐに筆ペンで縦書きし、行書で嫌味なほど丁寧に書いたことを覚えている。クラスメイト全員が心配している、とまで書いた気がする。

するとポストに投函して2-3日だったと思う。とにかく驚くほどすぐにナイトスクープから電話が来たのだ。
OKかいじーをテレビに出しましょう!」と。

その電話は金曜の夜だった。
私は泥酔していた。
まだハタチくらいだっただろう。名古屋のゲイバーではしゃぎまわってその後クラブに移動する途中だとかそんな時間だった気がする。

驚きの一報に「まじでェェ!私も出たいんだけドォォ!ウケるゥゥ!」と泥酔の私に、電話を切るでもなくドン引きせずに今後の説明をしてくれたスタッフさんの優しさをしっかり覚えている。私も出たいんダケドォ!については、私の交通費までは出せないので自費でいいなら来て良いよとのことだった。今思ってもやっぱりなんて良い番組なんだ…出たかったら出て良いんだ。。笑

ともあれ、単身かいじーは小枝師匠たちと小ネタ集の一員として北海道に旅立ったのである。
かいじーは「オレウケナイ川」という川でウケるモノマネをするという小ネタ要員として出演することになった。
そしてかいじーは小枝師匠の目の前で小枝師匠のモノマネをするという偉業を見事に果たした。

依頼が採用されると番組収録にも招待してくれる。当日はかいじーとたこ焼きを食べたりしてしっかり大阪観光しつつ向かった。かいじーはたこ焼き屋のおばちゃんに「おれナイトスクープ出るんすよ」と自慢していた気がする。笑
そして大阪のABCテレビだったか近くの会館だったかで初めてのテレビ収録観賞をした。依頼の映像は大きなモニターで皆で観賞して、終わるとモニターがはけられ、オンエアではカットされているけど各回の依頼の後に観覧席にいる依頼主や出演者に探偵さんたちが手を振ってくれる、というそんな流れにいちいちテンションが爆上がりした。

帰りにかいじーは探偵手帳をもらい、私はステッカーをいただいた。
かいじーがスタッフさんに「俺なんで採用されたんですか」と聞くと、私が筆で書いた依頼文を見て”こんなに心配してくれる良い友達たちを持ってるならば、かいじーは良い奴に違いない”と思い採用してくれたんだそうだ。

人情溢れる最高のスタッフさん達によってあの伝説の番組は出来ている。

ちなみにかいじーはいつの頃からか行方不明である。
就職については番組のあとにしていたと思う。
今は何に悩んでるだろうか、かいじー。
また依頼しようぜ〜
そして次こそは礼儀正しく電話に出たいとリベンジの機会を狙っている私である。

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江美弁
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