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飽きるまでもっと痛みで着飾ってずっと綺麗なままでいさせて

今月はあんまりよい短歌が詠めなかった。
まぁそういうときもある。
単に仕事が忙しくて感性が死んでいる。
今日も残業だった。疲れました、、、


沖に浮く船の積荷も行先も知らず眺める秋の海辺で

なんで詠んだか覚えていないのだが、10月に苫小牧の海で見た船のことが思い浮かぶので多分それだと思う。

手を伸ばし触れる程度のリアリティしか持ち合わせられないここは

冷えきったコンクリートの隙間から滲み出すのは憂鬱の色

引鉄に人差し指を掛けたまま小指同士を絡ませあった

ギザギザの水平線は昨晩のひどい天気に千切られたせい

これは石狩の海の見えるカフェに行ったときのやつ。海が荒れてて水平線がギザギザしてた。
海の短歌ばっかだな。海が好きなので。
夏より秋の海の方が好き。人がいないから。

4年前、一日中秋の砂浜を日が暮れるまで1人で歩いて過ごしたことがあり、とても楽しかった。
またやりたいのだが、週末天気が悪くてなかなか実現しない。
私の人生であと何度秋が来て、そのうち自由に使える日と、丁度よく天気も体調もよくて他に予定もない日が来るのかななんてことを考えると残りの時間はずっと少ないのだなと感じる。


色褪せた背に滑らせた指先で過ぎた月日の長さを知った

CDの背表紙(?)がめちゃめちゃ日に焼けて変色している。
紙ジャケがひどい。

道順のわかる迷路でぐるぐるとわざと迷っているんだわたし

水のない川を渡って辿り着く向こう岸にはモノクロの街

今はもう明かりの消えた暗がりの不在の椅子に喋り続ける

ビロードで出来てる空は藍色で風呂敷みたくぼくらをつつむ

太陽が燃やし尽くした狂騒の季節が終わり灰だけが降る

雪って灰みたいだなと思う。

私の大好きなthe brilliant greenの「Ash Like Snow」は灰を雪に喩えている。逆ですね。
ガンダム00のタイアップだった。

MVでトミーがフライングV弾いててとってもかわいいですね、、、
ハロの主張が強い、、、

飽きるまでもっと痛みで着飾ってずっと綺麗なままでいさせて

今月の表題短歌。
特に気に入っているわけでもないのだが。
実際、痛みは美しくなんかないわけだが、美しくあろうとすることには痛みが伴う。

福音に聴こえたそれは鉄骨の足場が崩れ落ちていく音

鐘の音が聴こえると思ったら工事現場の鉄骨の音だった。
足場は崩れていない。

テーブルの上にひとつも残らないほどに食べ尽くしたいの全部

華やかなショーウィンドウ映り込む向こう側には行けない私

意に沿わぬように生まれて望まない無遠慮な目で記号にされる
なんか色々女であることによってつらいことが立て続けにあったので。
女というだけでなめくさった態度取られたり理不尽な暴力に曝されたりするというのはまあまあ普通にある。
月の半分はPMSで体調が死ぬほど悪くメンタルもめちゃくちゃだしまともに生活するのもキツい。
外的にも内的にも社会構造的にも生物学的にも女は最悪なので来世は性別のないクマノミとかカタツムリとかになりてぇー
人間はクソです。


使い道のない変換プラグだけ出てくる古い引き出しの奥

剥き出しの蛍光灯がどこまでも伸びる廊下に並ぶ葬列

地上から5000m上空で凍る砂漠に覆われた街

雪は白く無垢で美しいものの喩えとしてよく使われるのだけれど、あれは砂埃やゴミが上空で凍りついたものが降っているのできれいではない。かき氷とかにしたらお腹を壊すのでやめたほうがいい。


「きみは今何してる?」って訊けるわけないし勝手におやすみしとく

カジュアルにコミュニケーションが取れない。
他人にもよっぽど用事があるとかじゃないと連絡取れない。
突然「何してる?」なんていきなり訊いたらキモいなと思われるかもしれないじゃないか。
勝手におやすみしとくのもキモいが。


溜息を人差し指でかき混ぜて風で薄めた空を飲み干す

なんでもは許せなかったこの先も好きが8割嫌いが2割

どんなに好きな物の中にも嫌いだなと思う部分があって、でもなんでも許せたらそれはそれで多分よくないだろうなと思う。


憐れみで暇をつぶした人たちがどうか地獄に落ちますように

ひどい事件のニュース記事見て怒ったり悲しんだりする人がいるけど、それって結局暇つぶしの娯楽でしかなくて、本当に心から悲しんだりしている人なんかいなくて、そういう上っ面の感情の動きを消費しているようなあり方ってめちゃめちゃ嫌だなと思った。ということがあった。



なんか疲れててほんとろくな短歌詠んでないな。

かなこ先生の次回作にご期待ください。

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