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子どもとおふろに入るときに、伝えたいこと(2021.6.10追記あり)

わたしは娘がいるんですが、やっぱり男の子の育児って尋ねられてもいまいちわからなくて。でも、周りでそこそこみんな悩むのが、「おちんちんってさ……」ていうテーマ。洗い方は?とか、皮はどうしてあげるのがいいん?とか、めっちゃ触るから、やめさせたいねんけど!とか、疑問は尽きませんよね。

ご主人に聞きながら対応していくといいんでしょうけど、やっぱり母親でも男児のちんちんの生態についてちゃんと知っておいたほうがいいよな、と思うし、勉強してくることにしました!

参加させていただいたのはこちらのセミナー↓↓

男の子のことを勉強しよう!と思って参加したけれど、当たり前だけど女の子にとっても大事なことだったし、最終的には、自分の身体やこころについてのことにまで考えを派生させてしまいました。性教育、深い!


おうちで性教育をはじめよう

まず、そもそも。「自分の子どもに自信をもって性教育をおしえられまーーす!」っていう保護者は超少ない、という事実があります。
わたしは、自分の子どもへの性教育に力を入れたいし、各ご家庭で、子どもの性教育を行うことを推奨しているのですが、やっぱりまだ抵抗ある人が多い。

それはなんでかっていうと、わたしたち自身(親)がちゃんと習ってきていないからなんですね。なので、「性教育、どうやって教えたらいいのかようわからん」という事態が起こっているのです。なのでまずは、「家で性教育したら、そんないいことがあるんやー!」ってことを知っていただきたいなと。親も勉強、だいじですね!

性教育を学校だけに任せないメリットは、こういうことだと思います。

まず、お子さんが性に興味をもったっぽいタイミングで始めることができること。そして、学校の性教育はコマ数が限られていて、どうしてもつめこみ式の授業になってしまうのですが、家だとゆっくり時間をかけて、日をわけて、伝えられます。さらに、もしこっちが「あっ、ちょっと対応まちがったわ」と思ったら、その後挽回がきくことです。これはかなりでかい。

ご家庭で性教育をするメリット*

①こどものタイミングで始めることができる
②時間をかけて何度でも伝えられる
③間違ったら再度伝えればいい

ちょっと恥ずかしいなーって思うこともあるかもしれませんが、幼児のうちからしっかり性教育をしておくことで、子どもの性被害を防ぐことができる場合もありますし、また、包括的な性教育を学んだ子どもは短絡的な性行動が遅くなる、というデータもあります。つまり不幸な若年妊娠や、性病などに感染するリスクを防ぐ効果もあるということ。

学校が教えるからいいでしょ、というのは、性教育に関してだけはやめたほうがいいんですね。お父さんもお母さんも、しっかり性の知識をつけて、お子さんに伝えていきましょう。


【6/10 この部分を加筆しました】

わたしがこの記事をアップしたのが4日前の夕方なのですが、記事を公開後、2件のコメントをいただきました。そのコメントで、わたしの記事の内容に「性教育とするには、ふさわしくない記述がある」というご指摘をいただきました。(現在はコメントは削除しています)

その方のご指摘および主張内容を以下にまとめます。

①健康面においては、本来、外陰部の洗浄にソープを使う必要はない。
美容面(におい)に関して気になるならソープを使うこともある。

②弱酸性だからいい、というのは大きな間違いで、危険である。ph値を確認せずに中性よりのソープを使うことにより、膣内(ph値3.8~4.5)のph値が崩れ、せっかくの殺菌作用を弱めることにつながる。

③洗いすぎることによって、膣内の最近バランスが崩れると、膣カンジダを引き起こす可能性がある。大人でもつらいのに、思春期の女の子が、親にカンジダになったことを言えるだろうか?しかもその原因が、幼少期より親に教えられてきた【誤った洗浄方法】のせいだとしたら……?という危惧。

それを受けて、わたしも命育さんにご意見を送ってみたところ、なんと「文面だけでは伝えづらいので、よかったら直接お話させていただきたい」との返信をいただきました。そこで昨日、セミナーを主催してくださった「命育」編集部編集部さんと、小児科医の工藤紀子先生と、わたし長崎絵美とで、ZOOMにて20分間お話してきました。

まずこの対応からして、ものすごく誠実だなあと感動してしまいますし、ただのイチ参加者であるわたしの意見をこのように大切に取り扱ってくださって、本当に感謝しております。ありがとうございます。

今回わたしがいただいたご指摘は、とても重要な問題提起であると思っていて、たしかにそこが間違っているなら、わたしは全文削除してお詫びの記事を書かないといけないと思っていました。ただやはり、ご指摘を受けてすぐ削除、ではなく、工藤医師のご意見を聞いたうえで、自分も質問させていただいて、納得してから修正したかったのでした。

この間に、わたしがTwitterで、「お金を払って受けたセミナーの情報が間違ってたとしたら、けっこうつらいな」みたいなことをつぶやいたのですが(今はもう削除したので100%同じ文章ではないと思いますがすみません)、このツイートに、わたしが指摘を受けて不快になったようなニュアンスが出てしまったため、せっかく親切にご指摘くださった方にいやな想いをさせてしまいました。もしここを読んでくださっていたら、重ねてお詫び申し上げます。指摘をうけたこと、に関して不快になった事実は一切ないです!むしろありがとうございます。

で。

昨日ZOOMでお話させていただきながら、わたしなりに回答をまとめてみました。

まず前提として、この記事における外陰部の洗浄は「膣内」ではなく「外陰部の洗浄」である、という誤解がないかどうかの確認がありました。
膣内を洗浄する腟洗浄は、膣内の正常な細菌のバランスを崩す可能性があるため推奨しておらず、あくまで外陰部の洗浄となります。
膣内に指をつっこんでゴシゴシ洗う、とかはダメだし、しなくていいということですね。

①「健康面において、本来、外陰部の洗浄にソープを使う必要はない」というご意見に対してどう思いますか?と尋ねました。

➡工藤医師の回答
お湯や水だけでの洗浄で洗えている場合は問題ないことについては、セミナー内で言及をできておりませんでした。
(ここでえみすけがさらに質問:お湯や水だけで洗えている場合、というのは具体的になにか指標がありますか?保護者にもわかりますか?)

➡ここまでいくともう、個別のケースでの対応になります。わたしは普段外来で、実際に外陰部にうんちや汚れが付着したままの状態お子さんたちを多く診ているので、小陰唇のすみずみまで洗う、という点についても強調しました。(えみすけの解釈ですが、恥垢を洗うというよりもあくまでも小陰唇にうんちがついているならそれを洗い流すという認識)

➡ウンチが付着したままであると湿疹の原因にもなるため、付着したままにならないよう小陰唇にウンチが付着している場合は洗浄する必要があります。しかし、お水だけだと付着している便をとれないことがあり、(その場合)専用の洗浄剤を使う必要があります。また、一日に何度も洗浄剤を用いて洗う必要はないことは、セミナーでお伝えできておりませんでした。

➡においが気になるようなら美容面においてソープを使う、という記述がありましたが、やはり保護者の中には「子どもの外陰部の強いにおいが気になる」というお悩みが多く、実際にそこまで強いにおいがある場合のときは何らかの細菌感染が疑われる場合もあります。うちの子の場合はどうなの?と気になるときは、とにかく小児科を受診していただきたいです。

②選ぶソープの基準について。子ども用のものならOK、という認識は誤り、という理解でいいでしょうか?

➡ソープについては、刺激の強い洗浄剤の使用は避けたほうが良いです。
セミナー内にて、どこの部分までソープを使用していいか?とのご質問には、商品ごとによっても注意事項を確認いただく必要がありますが、Melliaさんの商品については、すべて外陰部に使用いただくことをお伝えさせていただいておりました。

「弱酸性」という表記があるなかでも、やはりPH値を具体的に示してくれている、信頼できるメーカーさんを選ぶことが大事だということですね。

③外陰部をソープで洗浄しすぎることが、将来の膣カンジダを発症するという可能性について。

➡外陰部の炎症に関してですが、小児の外陰炎は、大腸菌、化膿レンサ球菌、表皮ブドウ球菌、腸球菌が起因菌になることが多く、カンジダやトリコモナスなどは少ないです。外陰の炎症が強いまま放置すると外陰の癒着を招くことがあります。私の個人的な意見ですが、1日になんども洗浄剤を用いて洗う必要はないこと、洗浄剤による接触性皮膚炎が起こりうることがあること、はもっと強調すべきだったかもしれません。繰り返しになりますが、膣洗浄ではありません。カンジダ膣炎は、刺激性の強い洗浄剤を繰り返し使用すること、自身の免疫が落ちることで起こります。

こどものうちは、カンジダによって外陰部が炎症を起こすことが少ないのですね。ただし、「清潔にしよう」と思うあまり、強い刺激のソープによる洗浄や、一日に何度も繰り返し洗浄する、などの行為によって、逆に炎症が起こるかもしれないことは、もっと注意深くわたしのnoteに記載すべきでした。

工藤医師によれば、現在、「一日に何度も膣を洗浄することがカンジダ膣炎を引き起こしてしまうかどうか」という事実はまだまだ研究中で、この件に関してはまだだれもハッキリとは言えないはずだとおっしゃっていました。

何事も、「これが正しい、これが間違い」と言い切るのではなく、「こういうことも考えられる」としながら、自身の想いを伝えていくしかなく、そこになるべく誤解が生じないように最大限の努力をする、というお人柄にたいへん共感いたしました。

わたしも、性教育を広めようという立場にたっておきながら、将来の不安をかきたてるような文章を書いてしまったことを猛省いたします。そのうえで、今後は表現にさらに注意をはらい、過不足なく、正しい情報を伝えられるように一層努力していく決意を新たにいたしました。

今後も、もしわたしの発信内容に誤りがあれば、コメントくださると本当にうれしいです。今回関わってくださった皆様、どうもありがとうございました!

※ということでここで加筆は終わります。以下は、少し修正しています。※


子どもの外陰部の正しい洗い方は?

外陰部、というとちょっと難しいのですが、男の子ならちんちん、女の子ならおまた、の洗い方です。

まず、何で洗うか?ですが、これは男の子でも女の子でも共通なのですが、基本的には、水・お湯だけでもOKだそうです。ただし、特に女児の場合、トイレのときにうまく拭けていなくて、うんちが外陰部についてしまっている場合もあるので、水やお湯だけで汚れを落とし切れなければ、デリケートゾーン専用ソープやせっけんを使うことが推奨されていました。

デリケートゾーン専用ソープってなんやねん、ということなんですが、

・低刺激であるもの(アルコール・防腐剤・着色料などが入っていない)
・弱酸性であり、できればph値が記載されているもの
・不安なら、合成界面活性剤が入っているものは避ける(皮膚を乾燥させてしまうので)

といったような条件がありました。当初記事を公開した時点では「赤ちゃん用ならだいたいオッケー」みたいな乱暴な表現だったので、修正させていただいております。

洗い方ですが、まず男の子。

子どものちんちんは、ほぼ全員、皮をかぶっています。そしてそれが成長に伴って向けていく人もいるし、むけない人もいます。ここで、大人の男性にかけられた呪いがあるんですね。それは、「仮性包茎の男はかっこわるい」という謎の概念です。これがあるからこそ、母親も、「男児のちんちんってこっちが皮をむいてあげたほうがいいの?」という疑問がわくのかもしれません。

結論からいうと、男の子のちんちんの皮は、無理にむかないでください。

無理やりむくと、痛かったり、出血したり、最悪、癒着が起こってそれはもう大変なことになったりします。

なので洗う時は、皮を少しだけ下げて、亀頭と包皮のあいだにたまった垢を取り除くようにやさしく洗い、洗い終わったらまたもとに戻しておきましょう。成長すると、勃起したときだけ皮から亀頭がコンニチハするようになるので、普段は皮かぶってても大丈夫!

2歳か3歳ぐらいになって言葉がでてきたら、意思の疎通をある程度はかれるようになるので、そのぐらいから「自分の身体は自分のものだから、自分で洗おう」というふうに教えていくといいですね。その際、ちんちんは、少し下げて洗って、またもどす、を教えてあげましょう。

次に女の子ですが、こちらは男子と違って、「膣の形状が複雑である」ことと、「うんちをする穴(肛門)と近い」ことによって、さらに清潔にする必要があります。

ソープはおなじで、洗い方としては、膣にある「小陰唇」というビラビラのところにうんちがたまりやすいので、そこをしっかり指で丁寧にあらうことを教えてあげてください。スポンジとかは使わず、必ず自分の指でやさしく洗いましょう。(大人もね!)幼児はトイレのあともまだ上手に拭けないので、うんちをしたあとは特に、「前から後ろ」に洗うようにしましょうね。

女児で特に大事なのは、「洗いすぎない」「強い刺激にしない」「膣の中に指を入れてまで洗わなくてもいい」といったようなことです。

清潔にしようと、一日に何度もソープを使って洗浄したり、トイレのウォシュレット機能を頻繁に使ったり、強く拭きすぎたりしていると、外陰部や膣内が炎症を起こしたり、必要な細菌まで洗い流されてしまう恐れがあります。あくまでもソープでの洗浄は一日に1回、きちんときれいに洗い流す、洗ったあとに乾燥が気になるようであれば保湿をする、というケアが大事ですね。


性器への興味を通じて、自分のからだを好きになることが大事

ちなみにこれを読んでくださっている皆さんは、自分のからだが好きですか?

太ってるとか、ムダ毛が多いとか、もっと筋肉をつけたいとか、いろいろ思うところはあるかもしれませんが、怖いのは、「だれかと比べて自分に自信をなくすこと」なんですね。

先ほどの仮性包茎の話もそうなんですが、「一般的にこれが理想的とされている」というイメージと、自分のからだがかけ離れていることによって、不安になったり、自分はだめなんだと否定してしまったりするのは、とても哀しいことです。

わたしも10代の頃、「乳首とアソコが黒い女はあそんでる」とかいう情報を聞いたことがあって、そうなんや……なんでやろ、と不思議に思ってたんですけど、これ100%嘘ですからね。みんなもともとの色素は違うし、変に「黒ずみを取る!」みたいなケア商品を使わなくてもいいです。たとえ乳輪が黒くても、コンプレックスに思わなくて大丈夫。

人の身体はいろんなバリエーションがあって、顔がみんな違うように、性器もみんな違います。色も、かたちも、大きさも。なので、子どもが性器に興味をもつタイミングで、同時に、ボディイメージを高めるはたらきかけもしてあげてほしいんですね。

みんな違ってみんな良いし、みんなが健康なからだを目指すことが大事なんだよ、と。

だれかのことを褒めるときに、ついつい「あの人、美人だよね」とか言う人がいるんですが(特におじさんに多い気がする)、褒めてるつもりでも、それは「ルッキズム(外見主義)」と呼ばれる差別行為にあたります。外見や容姿で人に優劣をつけるべきではないんですね。

子育てをするうえでは特に、他人の身体を揶揄するようなことは絶対に言わないようにしましょう。

こちらの命育さんの動画、とってもわかりやすいのでおすすめです!


これ、いつも思うのですが、性教育のことを勉強していると、同時に、大人である自分も救われるような感覚になります。本当に、性のことって、タブー視されてきたんだなぁ、わたしはなんにも知らなかったんだなあって。

これからの未来を明るく生きてほしい大切な子どもたちには、早い時期から知っておいてほしいことがたくさんあります。

おふろの時間を有効につかって、自分のからだのこと、こころのこと、たくさん親子でお話しできるといいですよね!




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えみすけ
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