家族キャンプ
毎年、夏休みの恒例だった家族キャンプ。
車にテントを積んで、おやつをたくさん持って出かけるのが好きだった。
後部座席ではしゃぐ、わたしと弟。
鮮やかな芝生の上のテント。
外で食べる気持ちのいいご飯。
ランタンの灯りと虫の声。
寝袋の寝心地の悪さ。
朝早く母と散歩した海岸。
ザザー、ザザー。
波の音だけが聴こえる。
昼の騒がしさが嘘のように、朝の海は静かだ。
砂の上をビーサンでパタパタと歩きながら、淡いピンクの貝を見つけては拾い集めた。
帰りは姉弟そろって、疲れて眠ってしまう。
もう朧げな記憶。
ハプニングがあったり、父の機嫌が悪くなったり、楽しいことだけではなかったはずだ。
でも、朧げな記憶の中にある確かな幸せは、これからも残り続ける。
最後まで読んでくださり、とても嬉しいです!ありがとうございます。