
空を飛ぶ
朝の4時半。
真っ暗闇の中、2人でレンタカーに乗り込んだ。
少しずつ、朝が始まる。
空の色は濃紺から薄紫、橙へ刻々と変わり、一瞬の美しさから目が離せない。荘厳な長野県の北アルプスも姿を現す。感嘆の声をあげながら、風とともに田んぼ道を走り抜けた。
空がきれいな青に染まったころ。山の上の気球場に到着した。
膨らんだ気球は、近づくと想像以上に大きい。
頭上で炎がぼおっと大きな音を立てる。
とたんに体がふわっと浮かび、気づけば空を飛んでいた。
「わあ」
2人で顔を見合わせ、朝陽を浴びて深呼吸をする。
目に、心にとじこめよう。空からの眺めと、この瞬間の感動を。
高揚感と新鮮な気持ち。見える景気と交わした言葉。終わったあとの名残惜しさ。旅を通して、その場所を知り、共にいる人のことも、もっと知っていく。旅は、場所と人を睦ぶ。
体験したいことがあって、共有したい人がいる。だからまた、旅に出たくなるのだ。
いいなと思ったら応援しよう!
