見出し画像

林檎は赤い。空は青い。2歳児は話を聞かない。

今月で2歳9ヶ月になる娘。

世間一般でいう「イヤイヤ期」にガッツリ該当する。

よく寝てよく食べてよく遊ぶ。すくすくと成長している彼女だがその自我の成長といったら凄まじいものがある。

そんな彼女に対し、私は日々怒ってしまう。

たかが生まれて3年も経ってない幼子に対し、ありとあらゆる事象で声を荒らげてしまう。
「怒らない育児」?
無理である。怒るのは母親の本能のようなものだ。

もちろん後から「そんなに怒ることじゃなかったかな…」と反省する時もあるが、2歳の世界に生きる彼ら彼女らはその自由奔放さゆえ何回も何回も何回も何回もこちらが「やるな」と言ってることを繰り返しやるのだ。

そして「やって」と言ったことをやらない。
代表例が片付け。
積み木、ブロックなどの散らばる類のおもちゃはガガーっと箱から出すだけだして3分も遊ばない。

ガガーっが聞こえる度に私は「あーあ」と思う。
「片付けてね」と言ってすんなり片付け始めることは、まずない。
わかっている。
子どもなんて単純だから「じゃあママとお片付け競走!順番に1個づつ入れようねー!最初はママから☆」とかうまーくのせれば遊びの延長で片付けてくれることは知っている。

しかしながら毎度毎度の片付けにそこまで気力を使える育児へのモチベーションは、残念ながら私は持ち合わせていない。イライラの沸点が低いことには定評があるのだ。

毎日毎日同じことを声を荒らげるまでやらなくて、溜息をつきながら「2歳児 片付け やらない」でYahoo検索したり。(GoogleよりYahoo派)

毎回毎回怒った声を出す方も正直疲れる。
多少のことは「まいっか☆」で済ませてしまえばいいのではという思いもある。がしかし。そう思った翌日にはまた些細なことで怒っている。慢性母親病。

育児本にあるように、「落ち着いた声で子供の目を見てなぜやってはいけないかを伝える」
的なこともやった。

しかし2歳児は「あ、ママ怒りモードだね」って時はとことん話を聞いてない。まず目を見ない。顔を背けて「早く終われこの時間」とばかりに近くのおもちゃに手を出そうとする。
それを制止して言葉を続けようとすると逃げる。カーテンの影に。
もうお手上げだ。

いつものように溜息をつきながらぽちぽちと相棒のスマホで検索する。
「2歳児 話を聞かない」

あるブロガーさんが書いていた言葉で我に返った。

「話をよく聞く2歳児などありえない。
痛くない頭痛などないのだから」

そりゃそうだ!!!!!!!

2歳児に何を期待してしまっていたんだろう。

こちらが真剣な眼差しで訴えれば、少しは分かってくれるはず!!というのは親の勝手な幻想だ。

かつての私もそうだったじゃないか。
だらしないとかちゃんとしなさいとか、そういった類の言葉を親から発せられる度に
「はいはいはいはーい♪ちゃんとしまーーーす!!」
と右から左へ受け流してきた。
2歳どころか、20歳になっても、30歳をすぎてもそうだった。

そのツケが親になった今ドカンと返って来たんだ。

きっと娘もそうだろう。
私が真剣になればなるほど内心「あーめんどくさっ」と思いながらただただその時間を過ぎ去るのを待つだけなんだろうな。

なんなら33歳児の旦那だってそうだ。
私がイライラしてめんどくさいことを言い出すと彼は「無」のモードになって、ひたすら時間が過ぎようとするのを待つ。ずるいなぁといつも思う。

しかしながらこれは人間の防衛本能のようなものだと思うから、もうどうしようもできない。


林檎が赤いように、空は青いように、2歳児は話を聞かない。なんなら3歳児も4歳児も、5歳児も聞かないかもしれない。

まぁそうはいえど、明日もきっと片付けない彼女に「片付けなさい!」と言ってしまうんだろうな。