見出し画像

米マックのバーガーで食中毒、死者も  日本マクドナルドの対応は?

【 CNN 2024.10.23 Wed posted at 11:20 JST 】

米疾病対策センター(CDC) は22日、ファストフード大手マクドナルドのハンバーガー「クォーターパウンダー」に関連した病原性大腸菌による食中毒で、10州の少なくとも49人が体調を崩し、うち高齢の1人が死亡したと発表した。
子ども1人を含む10人は、大腸菌感染を原因とする深刻な合併症の溶血性尿毒症症候群を発症して入院した。患者は主にコロラド州とネブラスカ州に集中しているという。
CDCによると、患者の大半がクォーターパウンダーを食べたと報告した

日本では発売していないクオーターパウンダー

【 報告されている発生場所はどこ? 】

患者は主にコロラド州とネブラスカ州に集中してます

【 現在のところのFDAの見解 】
米食品医薬品局(FDA)が調査した結果、千切りのタマネギが感染源だったと思われることが判明
マクドナルドは調査が行われる間、複数の州で問題のタマネギやクォーターパウンダーのビーフパテの使用を中止した
いずれもクォーターパウンダー以外の商品には使われていないという
マクドナルドの発表によると、関連が指摘されたのは特定の業者が3カ所の配送センターに配送していたタマネギだった
クォーターパウンダーについては今後数週間かけ、業者と連携して供給を補うと説明
ハンバーガーやチーズバーガーなどそれ以外の商品に影響はなく、引き続き提供を続けるとしている

【 日本マクドナルドの見解 】

色々と突っ込みたくなるリリース

お早うございます
なかなか気持ちの良い秋晴れとはならないですね
太平洋高気圧が頑張っているものですから
秋雨前線が停滞してしまって
大陸の寒気が下りてこられない
このまま行くと秋は駆け足で過ぎ去って
一気に真冬に突入するパターンですかね

サムネにしましたがアメリカからちょっと気になる
ニュースが飛び込んできました
「O-157」による食中毒の発生事案です
死者の報告もありかなりセンセーショナルですね

記事を読むとFDAはすでに発生場所と原因を
ある程度絞っているようで
発生元の商品は“クオーターパウンダー”で
原因食材は“千切りのタマネギ”としているようです
現在はタマネギから採取した菌と被害者の便等から
採取した菌の同定を行っているでしょう
DNAの比較も実施しているのではないでしょうか

【 野菜の栽培場と畜産農場・飼養場の近接問題は解決されたか? 】
米国では過去に食中毒の事案が結構報告されています

2006年9月 ほうれん草による病原性大腸菌O157の食中毒事件があった
疫学調査の結果、生ほうれん草が原因である特定された
患者は205人で、特定のブランドのカットほうれん草を喫食しており
ほうれん草から患者と同一株のO157を検出した
出荷したのはカリフォルニアの1農場で、調査の結果、環境リスク因子と
して野生ブタの存在、灌漑用井戸との近接、畜牛及び野生動物の糞便に
暴露していた土壌表面の水路などが挙げられたが、正確な汚染経路は
不明であった
これを機会にLGMA(カリフォルニア州の業界団体 葉物野菜販売協定)を設立
栽培エリアに関係者以外立ち入り禁止、騎乗動物禁止など食品安全エリアを
設置し病原菌の侵入を防止する体制を敷いた

【 問題なのは業界の場当たり的な対応 】
“検査をしよう”とか“ヘアネットをつけよう”などは行ってきたが
本質的な課題と対峙したくないというのが業界の基本的な姿勢だった
それは「畜産農場や飼養場が栽培場に近い」という問題の解決に
目を向けないという事だった
LGMAは自主検査を行なっており、それは賞賛に値するが
政府からの不都合な規則を避けているように見受けられる
「自ら規制する」と言えば回避できるので、栽培業者と畜産業者で
この問題について現在も話し合われていない

【 教訓が活かされず 】
2018年3月13日から6月6日にかけて発生した“ロメインレタス”を食した
人からEHEC(O157:H7)の感染者が210例も発生した
流通網にのって全米36州とカナダ5州へ汚染されたロメインレタスが
拡散した。情報の得られた201例の患者の中、96例(48%)が入院し
27例が溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症、5例が死亡した
その後の調査により、問題となったロメインレタスは
アリゾナ州ユマ地区から出荷されたことが分かった
また、その産地周辺の灌漑用運河の水からO157が検出され
ロメインレタスから検出された大腸菌と抗原性が一致することも
明らかになった
「畜産農場や飼養場と栽培場の近接」のリスクがまた顕在化した
事案となってしまった・・・

この「畜産農場や飼養場と野菜の栽培場の近接問題」は
解決しているのだろうか?

私は今回はこの問題について確認をしていないので
現段階では何とも論評する立場にないですが
今回の米マクドナルドの食中毒の原因が「千切りのタマネギ」と
特定されれば、この畜産農場と野菜の栽培場の近接問題は
調べてみる必要があるなぁと考えています
O-157に汚染された場所が、農場なのか、加工センターなのか
配送センターなのかによって拡大性の判断、即時処置と
再発防止策は異なってきますからね

【 日本マクドナルドの対応は適切か? 】
日本マクドナルドは米国での報道を受けてだと思いますが
10/23にホームページに
『米国のクオーターパウンダーに関する報道について』という
ニュースリリースを行っています

その内容は3行のテキストで
1.クオーターパウンダーというメニューは販売していない
2.米国から原材料は輸入・使用していない
3.日本国内のスライスオニオンは厳格な基準に基づいて国内調達している
したがって、取扱商品の安全性に問題は無く影響はないので
安心してお召し上がりください という内容でした

必要条件は満たしてはいるが充分であったかというと
すこし疑問が残ります
もし私が日本マクドナルドの消費者サービス担当責任者
または品質管理担当責任者だったとして
部下がこのリリース原稿を上げてきたとしたら
もう少し顧客目線に立った内容の情報を付加しなさいと
担当者に指示して差し戻したと思います
それは今回のリリースが「ダメ」というのではなく
「もったいない」という思いなのです
味についてや価格の評価については常に話題になりますが
食品安全や一般衛生管理について話題になることは少ないです

このリリースからは
『私のところはこの事案については関係ないです
 ウチはウチでちゃんとやってますから安心してね』
という感じがひしひしと伝わってきます
むしろ触られたくない、触れてほしくないという
防御姿勢のように見えてしまいます

どうちゃんとしているのか?
ほかの食中毒についてもちゃんとしているのか?
O-157ってお肉じゃなくて玉ねぎでも感染するの?
というような一般の方の食品安全に関する
基本的な疑問に関しては何も答えていないですね
せっかく食品安全・食品衛生について注目が集まる
いい機会で自社の食品安全に対する取り組みをアピールする
絶好の機会なのに「たった3行」でお茶を濁してしまうのは
本当にもったいないです

このあと日本マクドナルドはどんな企業行動をするか
ちょっと興味をもって注目しています
「カサノバさんだったらどうしたかなぁ・・・」
などと勝手な想像をしています

サラ・カサノバさん  元気かなぁ?

ではまた!


いいなと思ったら応援しよう!