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28.ひめ神カード講座ベーシック ~おとたちばなひめ~

オトタチバナヒメが至福の歓びの中で、胸に抱いて沈んだのは、敵に謀られ火攻めにあったとき、ヤマトタケルがかけてくれた、小さな言葉。

その小さな言葉が、ヒメの中で、しだいに大きくなり、ふくらんで、究極の愛のかたちとなる。

〈受けとった小さなものを大きくする力〉
〈小さな10のひめの種を、大きくして、愛する人のために使う力〉
〈小さな宝物を、大切に守って、大きくする力〉

0.1mmの受精卵を、5千倍の50㎝の新生児に育む、子宮力。
女性だけが持っている力。

(本文より)

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オトタチバナヒメは、12ひめ神の、最後のひめだ。

1番~5番までのひめ神が表しているのは、一人の女性の中にある基本的な魅力のうち、自分の中から引き出していくもの。

6番目と7番目のひめ神は、相手の中から魅力を引き出していくために、どのように対処すればよいかを伝えてくれる。

8番目と9番目のひめ神は、未熟な男性を見抜くためにある、女性の、目に見えて、華やかで一途な魅力と、目に見えない、地味で不変の魅力を教えてくれる。

そして、10番目のひめ神は、1番から9番までのひめ神の魅力を一つに束ね、女性の成長の目標となる姿を教えてくれる。

10の宝物を、女性は持っている。

11番目と12番目のひめ神は、1~10の魅力を使っていくために女性に備わっているという、不思議な力を教えてくれる。

11番目の、ククリヒメが持つ力は、結ぶ力と、本心を伝える力だ。

12番目は、神話に登場するひめ神ではなく、歴史上の女性。

12代景光天皇の皇子、ヤマトタケルノミコトの后とされる、オトタチバナヒメだ。

(いったい、どんな力を持っているというのだろう?)

ひめ神カードに描かれているのは、海神の怒りを鎮めるために、入水するシーン。

(誰かのために、自分を犠牲にして尽くせと?)

ひめ神カードが伝えているのは、別の観点であることを、山下弘司先生は、オトタチバナヒメが別れの時に詠んだという歌をひもといて、教えてくださった。

〈さねさし相武(さがむ)の小野(をの)に燃ゆる火の火中(ほなか)に立ちて問ひし君はも〉
(相模の野で、燃え盛る火の中に立ち、私の安否を気遣って声をかけてくださったあなたよ)

オトタチバナヒメは、自己犠牲を強いられた〈いけにえ〉ではなく、自分へと向けられた気遣いを何度も反芻し、ふくらませ、海の底に沈みながら、このうえなくヤマトタケルによりそう、〈愛の化身〉だったと感じる。

オトタチバナヒメが至福の歓びの中で、胸に抱いて沈んだのは、敵に謀られ火攻めにあったとき、ヤマトタケルがかけてくれた、小さな言葉。

その小さな言葉が、ヒメの中で、しだいに大きくなり、ふくらんで、究極の愛のかたちとなる。

〈受けとった小さなものを大きくする力〉

〈小さな10のひめの種を、大きくして、愛する人のために使う力〉

小さなものを大きくする力のことを、山下先生は、「子宮のチカラ」だとおっしゃっていた。

女性だけが持っている、0.1mmの受精卵を、50㎝の5千倍の新生児に育む、子宮力。

〈小さな宝物を、大切に守って、大きくする力〉

浜田えみな


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