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549.【ペア活】すべてが巨大な知恩院~特別拝観 三門楼上・大方丈・小方丈・方丈庭園~(2024.11.6)

(でっかーーーーい)
(これが、山門!? こんなに大きな山門、見たことがない!)

あまりの大きさに圧倒されて、調べたところ、知恩院の門は、寺院の門の総称である「山門」ではなく、「三門」と書くそうだ。「空門(くうもん)」「無相門(むそうもん)」「無願門(むがんもん)」という、悟りに通ずる三つの解脱の境地を表わす門(三解脱門:さんげだつもん)を意味しているとのこと。

国宝に指定されている。「華頂山」という山号を掲げた額は、畳二畳以上の大きさらしい。

それにしても、

(でかーーーーーっ)
(でか、でか、でか、でか、でかーーーーーっ)

この日は、「京都非公開文化財特別公開」で、通常非公開の三門楼上と、大方丈・小方丈・方丈庭園を、同時特別公開しているタイミングだったので、さっそく拝観させていただく。

三門内部は薄暗く、梯子段はかなり急。段の幅も大きい。つかまることができる縄が渡してあるのだけど、硬い手すりと違い、縄にはゆるみがあって動くので、持つと逆に怖い。

三門の楼上は、景色見晴らせるだけかと思っていたら、内部は仏堂となっていて、中央に宝冠釈迦牟尼仏像、脇壇には十六羅漢像が安置され、七不思議の一つである白木の棺と、三門造営の命を受けた造営奉行、五味金右衛門(ごみきんえもん)夫妻の木像も安置されている。天井や柱、壁などには、上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の迦陵頻伽(かりょうびんが)や天女、飛龍が極彩色で、一面に描かれていて、圧巻。別次元の様相を成している。
外に出ることもでき、心地よい風に吹かれて、京都市内を一望できた。
降りるほうが怖い梯子段を、踏み外さないようヒヤヒヤしながら降り切る。

行く手には、境内へ登るとみられる急な階段がそびえている。一段の高さも通常の階段よりは高く、なかなかハード。
古の建造物が、人々の手によって、守り遺されている寺社仏閣が好きなので、お詣りするためには、健康健脚でいなければ……と思いも新たに、一歩ずつ登る。

広い境内には、国宝の御影堂をはじめ、重要文化財が点在し、奥のほうまで続いていて圧巻だ。

令和2年に平成の大修理が完了したばかりの御影堂。

その壮大な伽藍の、雄大で美しい瓦屋根の中央には、4枚の瓦が残されている。

公式HPによると、【「満つれば欠くる世の習い」――― この世はすべて無常であり、完成すればあとは壊れていくばかり】 あえて葺き残しの瓦を残して、未完成であることを示していると考えられているとのこと。
浄土宗のことも、法然上人のことも、教科書で学んだ程度のことしか知らず、知恩院にも初めてお詣りしたけれど、そのたたずまいに感銘を受ける。

御影堂をお詣りして進み、特別拝観の「大方丈・小方丈・方丈庭園」の拝観へ。知恩院の大方丈は、徳川将軍がお出ましになられた時のために造られたとのことで、書院造りの形式を備え、鶴の間を中心に、上・中・下段の間、松の間、梅の間、柳の間、鷺の間、菊の間、竹の間と、続いていく部屋には、狩野派の襖絵が飾られているのだけど、すべて「金碧障壁画」。目の前に繰り広げられ、この目で観ている光景が信じられないほど。

(ぜんぶ、ほんもの!)

どれひとつ複製ではなく、江戸時代に描かれたほんものの障壁画が、国宝の方丈に、そのままの形で在る。鶴の間には、鶴が。松の間には松が。その幽玄さと静謐さ、声なき声、音なき音が、しみしみと伝わってくるような世界が、いくつも連なる。なんといっても、すぐ目の前。

(こんな間近で!!)

小方丈の襖絵は、水墨画の世界。まわりには、方丈庭園がめぐらされ、心字池や、茶室の葵庵、権現堂などが続く。


特別拝観の時期に参拝できて、本当によかった。
境内は、まだまだ広く、順番に巡っていく。鐘楼が見えたので、階段を登っていくと、そこに坐していたのは、

(でかーーーーーっ)

またしても、超巨大な鐘。こんなに大きな鐘を観たことがない。そもそも、人がこの鐘を撞くことができるのだろうか? ……と思ったとき、隣で息子が、
「知恩院って、“ゆく年くる年“の除夜の鐘で写るとこちゃう?」
というので、(そうだ、そうだ!)と思い当たる。

調べると、2023年~2024年は、「知恩院」からの中継だった。17人の僧侶が綱を握り、掛け声とともに、親綱を握る僧侶が身体ごと鐘に向かっていく、その迫力ある撞き方は独特。
その鐘の大きさを前にして、そうしなければ撞くことができないとわかる。
公式HPによると、高さ3.3メートル、直径2.8メートル、重さ約70トン、とのこと。

今年は、いつまでも夏の暑さが続いていて、11月の上旬では、まだ紅葉は始まっておらず、ところどころにその兆しを観る程度。そのおかげで、混雑もなく、文化財を鑑賞でき、奇跡のような時間を堪能できた。次に訪れる機会があれば、事前に予約して精進料理をいただこうと思う。

参拝のきっかけは、今年の1月から、転勤で東京に住んでいる息子のTが、11月上旬に帰省した折、会社の同期に薦められたという京都の知恩院に行ってみたいと言ったこと。「絶賛子離れプロセス中」の私は、のこのこついていくことに。
せっかくの機会なので、お昼ご飯は、少々高くてもよいから、京都ならではのものを食べようと楽しみにしていたのに、「胃の調子がよくない」と、Tから親子丼とお蕎麦のお店のURLが送られてきた。

祇園四条から趣のある小路を抜けていくと、坂の途中に、とてもおいしい親子丼と、抹茶を練り込んだお蕎麦を出してくれるお店があり、大満足。


そこから、八坂神社へ向かう。

八坂神社から円山公園を抜けて、前述のとおり知恩院へ。

(※ここから冒頭のセリフへ戻る)

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帰る前にお茶を飲もうということで、知恩院から、甘味処かカフェを探しながら戻ったのだけど、駅の近くで見つけたお店が大当たり。

とても落ち着くお店で、なんと2時間近くも長居していて、思いもかけず、Tの恋バナが聴けYたので、とっても嬉しい。現在進行形の話はもとより、中学、高校、大学と、Tの片思いの遍歴と内省まで聴けてしまって、嬉しすぎ。Tのほうは、(なんで、こんなことをオレは話しているんだ)と思ったかもしれないけど、お母さんは、LAS認定ソウルコーチ。
Tが、とっくに親離れできていることもわかり、そのことがたのもしく、息子の恋を全面的に応援する気持ちになっていて、子離れ完了。
心から応援しています。

浜田えみな

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