おとうさんお願い!
次の土曜日に父の3回忌がある。
その前にお墓の掃除に行った。雨上がりだったから草が引きやすくてありがたい。綺麗になったお墓で手を合わせた。お線香の香りが私を包む。おとうさんに息子のことをお願いした。大会で毎試合安打し優勝に貢献できますように。本当に頼みます!
帰りにはいつも立ち寄る六珈さん。
控えめな心に響く音楽とマスターの作業の音がなぜか落ち着くBGMだ。
いっぱいずつ丁寧に淹れてもらう珈琲。
アイスコーヒーも、もちろん一杯ずつたててもらえる。
珈琲のお供には定番のチーズケーキとガトーショコラがある。どちらもおすすめなので
その時の気分で選べばいい。
季節限定のブレンドを毎回頼む。夏ブレンドの季節になると思い出す父のこと。父を見舞った帰りによく立ち寄った六珈さん。おとうさんの命の残り時間を思い、涙がこみあげていたあの頃。父に会ったあと、その思いにひたることをゆるしてくれた場所が六珈さん。
いつかこの町に
帰ってきたいなあ。
すりガラスの向こうの風景を見ながらいつも思う。父のことを思い出しながら、穏やかなひとときを過ごしている自分に意味なく感謝したくなった。
おとうさん、最後あの子に壁をこえさせてな。それか、壁なんて幻やんて気づかせてあげてな。私はいつも父に願いごとばかり。父が生きている時に出来なかったこと。
本当に癒される珈琲やさんだなあ。おとうさんとの思い出のお店。
一度もおとうさんと
来たことないのに、な。
おとうさんが
必ず甲子園に
行かせてくれる。