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信じたことをやり続ける勇気
たまたま集まった経営者・自営業者数人で、最近、こんな話をした。
「ほんと、大変だよねぇ」
そう言いながら、みんななぜかちょっと笑顔で、ほっとしている。
小売、美容室、不動産など、職種と規模はさまざまながら、安定している組織に属した会社員ではないという共通項で、妙に話は盛り上がった。
ああ、どこも大変な部分があり、自分で経営する醍醐味があり。
みんな頑張っているのだと思うと、なんだか気が楽になる経営者・自営業者トーク。
そのうち、さらっと流れていった会話だったけれど、心にとまった話があった。
美容室を経営している人の話。
3年前に、自分の店のウインドウに「訪問カットやります」というフライヤーを貼ったのだという。HPにもうたっておいた。
体が不自由な方や、何らかの事情で美容院まで来られない方のためにと、半ばボランティア感覚で考えたの半分、少しでも収益の足しになればという経営的観点が半分。
しかし、この3年、問い合わせもなければ、予約もなし。
もう、このフライヤー剥がそうかなと思っていたところに、1件の予約が入った。
その一家で3人分の予約。
内容は差し控えるが、その自宅で髪をセットしながら、美容院を訪れることができないといういろんな事情を聞き、店主としては胸に迫るものが。
ああ、このサービスに対して性急に結果を求め、やめてしまわなくてよかったと思ったのだとか。
世の中や人のためになることは、すぐにお金になりづらいこともあるかもしれない。
けれども、小さくても信じたことをやり続けていくことって、案外大事だと思うんだよね、結果が出るのに時差があるっていうかさ、と語っていた。
ほんとだなと、思った。
どんな商売にも共通する、真髄になる考え方だなと、私自身の心にも深く染みた話であった。
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