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避難場所を持っておくと、少し生きやすくなる

『獣になれない私たち』を視聴開始した。

何だかよく知っている感じが、微に細に表現されていて、感嘆した。

気が利いて、仕事が好きで、やれば何でも上手くできて、なんだかんだいって人がいい市井の女性社員が陥りがちなパターン。

ソートをかけていないプリントや、ホチキスを持参してきた気の利き方あたりなど、テレビ業界の人が、よくそこまでわかったものだなあと思わずにはいられない。

すり減る、ということ。

主人公に降りかかる災難の一つ一つは極端に凶悪な内容では無い。しかし、全方位から、次から次に無理難題がその身に降りかかり、一つ一つタスクを正確に誠実に片付けていくも、当たり前のように誰からも褒められない。

ドラマ内では、システムエンジニアチームは協力的でまともなチームとして描かれていたが、現実世界はそこすらきちんと機能していないこともよくある話。

たぶん誰かが一言「助かる、ありがとう」とか、「一緒に手伝うよ」と言ってくれるだけでも、モチベーションは違うんだろうなあと思わずにはいられない。

毎日すり減っているという感覚、多くの女性が実感していることであろう。
もはや、女性だけではないのかもしれない。

ドラマの中の主人公は5tapというビアバーが避難場所になっているようだが、こういう場所、大切だよなと感じる。

大きな意味でいえば、転職したり、働く環境改善を抜本的にしなくてはならないだろうが、私の経験値では、同じパターンに陥る人は、転職しようが、起業しようが、結婚しようが、似たような状況はなぜか再現されがちだ。

私の友人たちの中には、転職を繰り返してすり減り続けた後に、こうなったら自分が偉くなるしかないと積極的に出世していく方に舵を切った人もいる。

正当に生かされてすり減らない環境を探し求めることと同時に、自分にとっての避難場所を持っておくことは、生きていく上で結構重要ではないかと思う。

ドラマ内では、5tapだけではなく、主人公が靴やファッションをガラリと変えるという形で、起きた心の変化を最後に表現していたが、そういうやり方も私は賛成だ。

カフェでも、温泉でも、スーパーで買ったちょっといい惣菜でも、すり減った心身を避難させる場所やモノ。

そういうところで傷を一時的に癒して、また戦いに出る。

あるのと無いのとでは、大違い。

ちなみに私のそれは、「とんかつ」。

心身がメタメタに行き詰まり、すり減ったとき、美味しいとんかつ定食や、カツ丼を無心に食べると、心から癒される。

既視感溢れる展開を目の当たりにしながら、みんな頑張っているんだよなあと・・・と、何だかしみじみしてしまった水曜10時。


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