ただの夢の話「街角の小さな本屋さん」
「ユー・ガット・メール」という映画が長らく好きだ。
ご存知、トム・ハンクスと、メグ・ライアンの大人のラブストーリーで、メグ・ライアンが最高にキュートな不朽の名作。
1998年公開なので、見る人によってはしごく懐かしく、実にニューヨーク的なラブストーリーかもしれない。
私にとってはストーリーがどうというよりも、メグ・ライアン扮するキャスリーンが店主をしている「街角の小さな本屋さん」がとても気になる。
キャスリーンは、母の代から続く小さな絵本屋を経営しているという設定だ。
そして、その店は店内も店構えも、ひどく洒落ている。
からんからんと音をたててあける扉と店内の棚やカウンターの木の質感。さらには、置かれている絵本と雑貨のセレクト。
もう、これだけでパーフェクトでしょう!
レジスターがガタガタいう感じもいい。
店内にはクリスマスの華やかな飾りが輝いていて、ときに、読み聞かせも行うから、子どもたちが学校帰りに気軽に立ち寄る。
会社員だった私は、「こういう本屋をいつか開きたい」と、何十回と映画を見るたびに夢見て憧れた。
今日、電車に乗りながら、携帯からAmazonプライムで「ユー・ガット・メール」を久々に目にした。
私は、その街の生活に根付いた小さな本屋を、いつか開きたいと考えている。
妄想の中で、白髪の老婆になった私は、きりりと髪を結いあげて、黒いタートルネックセーターとジーンズを着ている。背中はまっすぐで、足早に歩き回って掃除したりディスプレイをしたりしている。
店内には、もちろん賢そうな白い猫がいる。
そう、これはただの、夢の話。
考えただけで楽しい、夢の話。
でも、未来はわからない。なにがおこるかなんて、言いきれないのだから。
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