<おとなの読書感想文>ゆき
落ち込むことがあると、ひとつをきっかけにちいさな日常の面倒事も気にかかるようになり、秋の青空が一層物悲しく感じられます。
こういう時、普段は好意的に思っていた誰かの快活な声を急に疎ましく思ったり、本当はなんでもない他人の振る舞いを自分への敵意なんじゃないかといぶかったり、我ながら厄介で情けなく思うほどです。
「元気が出る」特効薬があるかと言えば、それはなかなか難しいもの。
しかし少なくとも今、わたしの心のひだにすんなり染み渡った一冊の絵本があります。
「ゆき」(ユリ・シ