さんまと台風
今日は朝から「台風24号が接近する」ということで、ずっと落ち着かなかった。
普通の台風なら、余裕をかましていられるんだけど、今度の台風はかなり強烈で、先の台風21号に匹敵するか、もしくはそれ以上の勢力…と知り、だんだん怖くなってきたのだ。
夫は災害対策で朝から仕事場に出ていて留守だし、うちには年老いて足の悪い義母が居る。万が一の時は、私が「我が家の責任総括者」となって、義母と家を守らなくてはいけない。
おろおろしながら午前中を過ごし、落ち着かないからブログを更新し(←単なる現実逃避…汗)、そうこうしていたら、家に来客があった。
なんと、知人が女川のサンマを届けて下さったのだ。
実は、前の東日本大震災で被災された方が、この飛騨地方に避難されてそのまま移住されているのだけど、その方と私はひょんなことから知り合い、家族ぐるみで親しくさせてもらっている。そんなご縁から、こうして秋になると、毎年、その方の地元である宮城県女川町のサンマを届けてくださるのだった。
そんな私の大切な知人が、台風が直撃するかもしれない今日の日に、新鮮なサンマをわざわざ私の自宅まで届けて下さったのだった。
山国育ちの私には、三陸・女川のサンマはビックリするほど美味しい御馳走だ。
まあ、なんとありがたいこと。
うちの家族では食べきれない分をご近所さんにおすそ分けして、残った分を、早速、今夜の夕ご飯に塩焼きにしていただいた。
ちょうどお米も、今年の新米を使い始めたところだった。もっちりとした新米のご飯と野菜汁、そして焼きたてのサンマ…。最高の秋の味覚だ。
ホクホクしながらサンマをいただき(←本当なら日本酒を飲みたいところ…汗)、台風が来ることへの不安がすっかり吹き飛んでしまった。
その他、常備菜もおかずにして夕ご飯をおなか一杯食べた。
もりもりごはんを食べながら、昔読んだ漫画「銀河鉄道999」で、メーテルが、もうすぐ訪れるであろう危機に備えて、食堂車で、おなかが空いていない鉄郎に無理やりビフテキを食べさせて「この宇宙を生き抜くためにはしっかり食べることが必要。どんな場面でも食べることができる人間が、この宇宙で生き残れるのよ」と語っていたのを思い出した。
そうだ。危機に直面した時こそ、しっかりお腹を満たしておかないとね。食べられるときに食べておかないと、次いつ食べ物にありつけるかわからない…。だからしっかり食べなさい、鉄郎…と。そんなことを漫画のなかで、メーテルは鉄郎に諭していたのだ。
松本零士さんの漫画は哲学的だったなぁ~としみじみむ思う。
と、こうして美味しいものをしっかり食べて満足したら、だんだん眠くなってきた。
おいおい…。今夜は寝ないで万が一に備えようと思っていたけど、本当に眠くなってきた…汗。
眠るのなら、ちゃんとお風呂に入って今日一日の穢れを清めてきれいにしてから床に入りたい…。
じゃあ、今のうちにお風呂にも入っておこうか~ということで、ザブっと入浴。この時点でまだ雨は降っていなかった。(←ここで夜7時半ごろ)
雨も降っていないし風も吹いていないから、安心してまったりお風呂に入ることができた。
お風呂を出て、髪の毛を乾かしていたら雨が降り出した。
ザーザーと雨が降る音が聞こえる。
でも、まだ風はそれほどでもない。
このまま通り過ぎてくれればいいけど、この地域は台風の通り道のまさにど真ん中☆ストライクゾーンみたいなので(汗)、きっとこれから朝にかけてすごい雨と風なんだろうな…と思った。
しかし、サンマのおかげで、なんとかなりそうな気がしてきた。
もしも強風で我が家が吹っ飛んだとしても、その時はその時だ。腹をくくろう。何が起きても、私はきっと乗り越えられる。
そして今の私は超眠い。
本当に眠いのだ。
このまま眠って、いつのまにか朝になり、無事に台風も通り過ぎて、穏やかに目覚められることを願い、布団に入ろうと思う。(まさか目が覚めたら二十五菩薩様に守られてお浄土にいた…なんてことはないだろう~と思う。いや地獄で閻魔様か?汗)
もう義母も家もどうでもよくなってきたよ(笑)。
義母には、今夜のうちに台風は通り抜けていくことを話したら「そうかー」と安心したようだった。
停電するかもしれないし、もう余計なことはしないで早く寝ちゃおう…と思った。
◇◇◇
目覚めたとき、どんな朝を迎えられるのか…。怖くもあり楽しみでもある。
今までの自分とは違う、新しい自分に生まれ変わるかもしれない。
◇◇◇
強力なエネルギーを発しながら台風24号は日本列島を縦断する。
私の心の中の「不安」や「恐れ」を全てからめとって、突き進め台風。大雨を降らせ、強風を吹かせ、地上のものをすべて浄化して去っていけ。
そんなことを思いながら、一人静かに台風の夜を家で過ごしているのだった。