そのコストは誰のため?ビジネスは「何を捨てるか」空き家再生:一棟貸ヴィラプロジェクト#43
おはようございます!
本日は、
そのコストは誰のため?ビジネスは「何を捨てるか」空き家再生:一棟貸ヴィラプロジェクト#43
といったテーマでお話ししようと思います。
こちらのマガジンの続編。
私は現在、空き家・相続に特化した不動産ベンチャー企業で新規プロジェクト「一棟貸別荘」宿泊業にプロジェクトリーダーとして挑戦しています。
記念すべき1棟目が山梨県都留市にグランドOPENして早1カ月半。ご宿泊いただいたゲスト様は150名を突破っ!!
10月以降もたくさんのご予約をすでにいただいており、なかなかご予約が取りずらい状況となっております。m(__)m
本当にありがたいことでございます( ノД`)シクシク…
そんなこんなで今回も地域再生のプロであり、Voicyパーソナリティの木下斉さんによるビジネススクールに因んだお仕事の話。
新規事業を展開していく上で、そしてビジネスを展開していく上で、最も重要となる視点。
どこに資金を注入し、どこを捨てるのか。
この点を具体例を交えながら私なりの持論を展開していこうと思います。
・STOP!過剰スペック
まず、新規プロジェクト「空き家再生:一棟貸ヴィラ」の概要をサラっとご説明しますね。この事業は、地方のなかなか価値の出ない空き家をリノベーションによって貸別荘に生まれ変わらせる。地方の空き家をバリューアップさせたい。という思いと、都会で働くビジネスパーソンに自然を満喫してほしい。という思いで立ち上げられました。
つまり、空き家を買って、リノベーションをして、ヴィラとして貸し出すというビジネスモデル。ここで重要となってくるのがイニシャルコスト、つまり初期費用です。皆さんもご想像のとおり1棟当たり仕上げていくのに数千万円はかかってしまします。かなりまとまった資金ですね。しかし過剰な資金を投入してしまうと、のちのち苦しくなります。なぜならこのイニシャルコストをお客様の宿泊代から回収していかなければならないのです。つまり掛けすぎてしまうと宿泊料金を上げざるおえなくなったり、営業を始めてみて改善ポイントが出てきてもなかなか資金を捻出しずらくなってしまいます。こうなると身動きがとりずらくなりビジネスとしては良くない展開と言って過言ではないでしょう。例えばマイホームの建築やリフォームを経験された方ならわかりやすいと思います。「せっかくだから…」とあれもこれもグレードをあげたくなったり、欲しいものが増えて気づいたら予算をオーバーしてしまった。なんて声は少なくないでしょう。百歩譲ってマイホームなら長い期間住み続けるのでわかります。しかしビジネスはこれではいけません。しっかりと利回りや資金計画を立てたうえで予算内に納めなければいけない。これは基本中の基本。しかし…それでも実際はやっぱり「よりよく…」と欲望は当然でてきてしまいます。そんなときは「STOP!過剰スペック!」と自分の心の中に言い聞かせなければいけません。
・ビジネスパートナーとはとことん戦え!
過剰スペックとの戦いは自分の欲望だけではありません。それはビジネスパートナーも同じ。私のプロジェクトで言えばリノベーションをお願いする大工さんであったり、庭園を創る庭師さんです。1棟目2棟目に関しては同じ職人さんにデザインなども大まかお願いしました。職人さんからのプレゼンに対してこちらからの要望も伝えて修正や変更を繰り返して創り上げていくイメージです。ここで理解しておかなければいけないこと。それは彼ら職人さんにとっては自らの「作品」であるということです。私たち施主とは違った視点でとらえているという歪みです。上記でお話したとおり、私たち運営側は出来上がってからの経営を考えてイニシャルコストを掛けなければいけません。しかし職人さんにとっては「よりよく…」とハイスペックな施工を提案してくるんですね。もちろん向こうもビジネスだから当たり前のことですが、そこで二つ返事をしてはダメ。これがはっきりNO!と言えるのも事前の価格帯のリサーチやコンセプトがしっかり出来ていることが前提となるのです。
・そのサービスは誰のため?
もちろん、「よいものを創りたい」という気持ちは職人さんも私たち運営側も同じです。ではコストがかさむような決断を迫られた時はどうすればよいのでしょうか?…それが
「そのサービスは誰のため?」
と、真剣に考えることです。
↑私の好きな本のひとつ。
例えばこんな事例をお話します。
大工さんと「トイレ」についてのやりとりです。
内容は個数とスペック。
個数→2つ
スペック→最新式、最高級のトイレ
このような提案を大工さんからいただきました。
【回答】
【Yes】個数→2つ
【NO】スペック→最新式、最高級のトイレ
【解説】
個数に関しては2つ設置が好ましいと判断しました。なぜならば当施設の収容可能人数は8名様。8名様が泊まった時にトイレが1つではお客様に不自由をさせてしまう可能性が高いからです。
一方スペックに関しては通常のウォシュレットタイプでとお願いをしました。なぜならば当施設は「高級」を売りにしているわけではないからです。ここでも判断の軸となるのが「コンセプト」なんですね。小さなことかと思われるかもしれませんが2つの便座のスペックを変えるだけでも数万~十数万のコストが削減されるのです。
では、なぜここまでシビヤに考えなければならないのか…
・コストは結局お客さまが負担する
イニシャルコストを上げれば上げるほど、結局はお客様に宿泊料としてその負担していただかなくてはならないのです。もちろんよりよい施設を目指す意味で初期投資は欠かせません。しかし単にお金を掛ければいいってもんでもないんですね。それでは思考停止のアホになってしまいます。重要なのはお客様が絶対的に求める、そして私たち施主がどうしてもここは外せない!という重要ポイントに絞って資金を投入すること。これが明確に判断できることがすごく大事!事前のリサーチ、フィードバックによる見解、そして、コンセプトの重要性。が明確になっているかが問われているのです。
・サービスを提供し続けるために…
そして…最後に、このテーマをまとめます。
どうしてコストにシビヤにならなければいけないのか…
それは「サービスを提供しつ・づ・け・るため」です。
ビジネスは利益を産み続けなければ存続することができません。
皆さんもお気に入りの飲食店が閉店してしまって残念な思いをしたことが1度はあるはず。「あのラーメンもう一度食べたいな…」なんて。
さまざまな理由があるにしろ、もうなくなってしまっては味わうことはできません。つまり、お客様に喜びつづけてもらうために、企業は存続しつづけなければならないのです。もちろん必要な価格転嫁は絶対に必要です。しかし企業側も「それは本当に必要なコストなのか?」「そのコストでお客様は本当に喜んでくれるのか?」と常に思考し続ける。これは責務だと私は思います。持つべきプライドかな…と。(`・ω・´)
〇まとめ
今回も熱く語ってしまったらあっという間に3000文字。
でも実際に経験してきたことは本当にスラスラとキーボドがスライドしていくものです。
サービス提供者たるもの、真剣にコストと向き合う。
お客様のために、そしてサービスの存続のために…
自分にも言い聞かせながら背筋を伸ばして邁進してまいります!
noteのご感想、ご意見、「こんなこと取り上げてほしい!」などのリクエストじゃんじゃんお待ちしております。執筆の励み、そして新たな気づきにつながりますので、ぜひコメント欄よりお待ちしております!!
本日もご一読いただきありがとうございました。