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レベルの低いグータンヌーボいらない
恋愛経験なんてほとんどないのに、一丁前に恋バナをしたくなる。
そうするとどうなるかというと曖昧な概念の話か、片想いの話になる。
まあそれでいいや別に。
その人とは一回しかデートをしたことがないのに忘れられない、という人がいる。
今やもう脈なしだと分かっていても、ずっと好きなままである。
大体は脈なしだと分かったら諦めがつく。彼氏ができれば冷める。
しかしその人に対しては、まだ心の炎は燃え盛るばかりであり、その人に彼氏でもできれば、その時はその炎でその彼氏を焼いてやろうかと思うほどである。
なぜその人をそんなに好きなのかと考えてみると、外見はさることながら、内面の魅力が半端でなかったからだ。
優しさ、知的さ、包容力、活力、ちょっとした闇、人間味。そして僕の話を聞いている時の態度、対応。
全部がハマりすぎていて、ピッチを俯瞰視点で捉え、適切な場所に常にいながらとてつもないテクニックを繰り出すイニエスタがマックで僕の隣に座っているのかと思ってしまうほどだった。(ちゃんとしたお店探しとけよ俺)
聞き手がそれだけ素晴らしいと厄介な話や引かれそうな話の一つや二つをしてしまうし、逆にそんな話をあちらにも振ってしまう。君の癖を知りたいが、引かれそうで困る、なんて言ってられない胸の高鳴りがあった。
そんなデートの帰りは(恥ずかしいけれど)夜空を見上げながら、軽快に深呼吸をしてしまう。新鮮な空気を肺に送り込みながら、合う人に会ったんだなという実感が湧く。しかし同時に不安も湧いてくる。「あんな話をしてしまって引かれているのではないか。」と焦り、「なんか変な話しちゃったねハハっ」なんていうダサいラインをしてしまいそうになる。
結果を考えてみると、その不安は正解に近かったのかもしれない。
そこからデートに行くことはなく、お互いに好きなアーティストのライブに行こうかという話になりながら、少し時間が経ってからキャンセルされるという珍事(?)が数回あり、僕の心は折れ、連絡するのをやめた。
あっけない幕切れで呆れてしまう。
恋とか言っても所詮はただの人間関係のいざこざなのね、なんていう愚痴を吐きたくなるものの、誰が言ってんだと言われそうで、知り合いには話せない。
「合う人に会ったんだな…」とか思って、真冬の夜空を眺めていた自分の首を絞めに行きたくなる。
しかし、本当に恋なんてロマンチックなものでなくて、セロトニンだのなんだのが放出されて頭が参ってるだけの現象だと思うと、ここから先に進むしかないなと本当に思う。
第二回レベルの低いグータンヌーボをお待ちください。
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