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他人のこと、気にせずにはいられない

最近「ステータス・ゲームの心理学」という本を読んでいる。

60ページまで来て、この本を読む際の個人的なテーマ、目的が決まった。

I do care about what people say.

全部無意識にやってしまっている。この場所にいる人の中でステータスの高い人は誰かを無意識に判別してしまう。そして無意識にその人の行動を模倣してしまう。

ゲーム内をスキャンし、誰がステータスが高いのかを判別するのは1歳でできるようになってしまう。評判はステータスゲームの進行状況に大きな影響を及ぼすアイテムだ。何かすごいことを成し遂げたり、良いことをしたとしても、それを実際に目にすることができるのはたかだか数十人程度だ。けれど、その数十人がそれぞれ5人にそのことを話せば、そしてまたその話を別の誰かにすれば、数百人、数千人にあなたのすごい部分や良い部分が伝わる。つまり、あなたの集団内でのステータスは上がる。

ステータスゲームの参加条件は満一歳以上。つまりほぼ全員だ。そしてそのステータスゲームであなたの成績に多大な影響を及ぼすのは評判だ。良い評判はあなたのステータスを高め、悪い評判はステータスを落とす。

これまでの話を総合して言いたいのは、こんな世界で誰が他人にどう思われるかを気にせずに生きることができるだろうか、ということだ。

ステータスの急落下によって人は多大な心理的ダメージを負う。集団内で悪い噂が立つと、もう死んでしまおうかと思うようになる。

主観的には命よりも大事になるステータス、そしてその高低を決める評判を誰が気にせずに生きられる?もちろんほとんど誰も気にせずには生きることができない。その人間の無力さ、無意識という名のオートメーションに気づき、抵抗を諦め、身を委ねる覚悟をするところから人生を始めよう。

人は他人にどう思われるか気にする。ステータスは命に関わるので、人はステータスに尋常じゃないほど気を遣う。評判にビビる。だからそのプレッシャーから逃れるために「人のことは気にするな」と自己暗示をしたり、ブルブル震えている人間にそう言って不愉快な体の揺れを止めようとする。

しかしそうしたメッセージは粉飾決算と同じだ。株式市場の人々は黒字化を目指すにはまず赤字ではないと言ってみようと企業にアドバイスするだろうか。もちろんそんなことは言わないし、アドバイスとしては最悪だ。粉飾決算は不正であり、問題に適切に取り組んでいないからだ。

しかし人間に対してはなぜか魔法のメッセージのように歌詞や自己啓発本やドラマのセリフの中にそれが散りばめられている。まるでありがたい教示のように「人のことは気にするな」というメッセージを受け取っている人々は一定数いるが、それはビジネススクールで「赤字は誤魔化せ」と教えられるのと同じようなものだ。

問題を問題でないと否定することでは問題は解決しない。結果をイジるのではなく、過程に介入しなければいけない。赤字を誤魔化したり、データを改竄したりするのは罰せられる。同じように心の状態を偽るのはその人自身にとって良くないのではないだろうか。

人のことは気にするなというメッセージに無理があると悟り、その上でどう生きていこうか考えるための材料としてこの本を読もう。(という読書メモのコピペ)

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