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映画ラストマイルは野木先生のお説教ムービーだった

〜若干ネタバレあります〜

待ち望んでいたラストマイル。

映画そのものは楽しめた。
ドラマ「アンナチュラル」が大好きだったから
ラボのメンバーの後日談が描いてくれて感激だった。

でも見終わった後、
なんだかシュンとした気分になってしまった。

なぜだろう?

たぶん、私はこの映画の問題提起が
お説教のように感じてしまったからかもしれない。

物流業界の闇
格差社会
消費社会、資本主義の成れの果て

社会問題をテーマにするのは
野木さんの十八番なのはわかってたけど、
映画としてはあらゆるメッセージを盛り込みすぎて
逆に大味になっちゃったように思う。

今の時代、通販サイトや物流を利用したことがない人はいないだろう。
どこかで必ずその恩恵やら影響やらは受けているはずだ。
わたしもかなりのヘビーユーザーだ。

いいか悪いかは別として、
消費者としてただ利用しているだけなのに、

「たくさんの人たちの格差や犠牲の上で成り立っているだよ」

と突きつけらたようで、変な罪悪感を覚えてしまった。

でもこんな気分になっている中、
肝心の映画の中では、
主人公が手回ししてなんとな〜〜〜く大団円みたいになってて、
「いやいやいや、そんなわけないでしょ?」
と逆に取り残されたような気分になった。

それはいい。
何かを感じさせるのは映画として成功していると思う。

でもいくら
「あなたたちは欲しがるように仕掛けられているんだよ」
なんて問題提起されても、
私たちはもう知っているのだ。

今日も明日の明後日も
ベルトコンベアーは動き続けるし、
ポチッとするし、
ポストに不在票が入ることを。

だからいくら映画を通してお説教されても
日本人特有の罪悪感を持たされただけで、シュンとなって終わりだった。

野木さんならもっともっと丁寧に描けたはずだ。
映画だからといろいろ盛り込んだ結果、
スケールが大きすぎて
見える人には見えるけど、見えない人にはまったく見えないものになってしまったように思えた。

ウォンカーワイが
「たくさんのものを見せようとするのは何もみせないのと同じだ」
と言っていたのを思い出した。

素直にエンタメとしてみるのが正解なのか?
まじめに説教を受けとるのか?

私は何も考えず今日もAmazonから届くシャンプーを待っている。


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