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もしもスタジアムのある街に住むのなら Vol.1 街の匂い/帰り道の匂い (西が丘とその近くの街の話)


旅するより住みたい派ですこんにちは。

今月から「もしもスタジアムのある街に住むのなら」というタイトルで連載を始めます。

この連載では、旅するより住みたい派の私が、旅することと暮らすことを行き来するようなエッセイをお届けしたいと思っています。
具体的には、スタジアムのある全国のいろいろな「街」を書いてみたいと思います。私が住んだことのある街もでてくる予定ですが、旅をして住んでみたくなった街の話を中心に書いていくつもりです。その街ならではの素敵なおうちの話や、住みたい家の探し方、ライフスタイルと間取りみたいなことも書いてみたいなと思っています。


先月のvol.0では、なぜこの連載をするのかについて書きました。もし未だ読まれていなければ、ぜひ先にこちらをご覧ください。全文無料です。



記念すべき第一回で取り上げる「スタジアムのある街」は、西が丘


東京都北区、すぐそこに板橋区という場所です。


ここには日本のスポーツを下支えするHPSC(ハイパフォーマンススポーツセンター)の各種施設があり、トレーニング中の選手たちがこのあたりを歩いているのをよく見かけます。近所のドラッグストアにはたくさんのサインがあったり!

HPSC(ハイパフォーマンススポーツセンター)

https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Default.aspx

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西が丘のスタジアムといえば、このHPSCの施設である、西が丘サッカー場こと味の素フィールド西が丘


1972年(昭和47年)、国立西が丘競技場としてサッカー専用競技場、庭球場などが建設されました。サッカー場は、国際試合、天皇杯予選、全日本大学選手権、関東大学リーグ、全日本女子選手権、全国高校選手権などに幅広く利用されています。                        

( HPSC HPより引用)

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11月の予定表を見ると、高校サッカー選手権大会の東京予選や、WEリーグ、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2021が開催されている模様。いろいろなカテゴリーのサッカーを楽しめるスタジアム最高です。

西が丘のアクセスはだいたい2パターンで、都営三田線の本蓮沼駅かJRの赤羽駅や十条駅あたりを使う人が多いのかなあと思います。バス便が便利な地域なので、東武東上線のときわ台やJRの王子駅なんかも使えます。

以前、オムニバス記事にも書いたのですが(こちらも私の部分は無料です)、東京の地下鉄のなかでは、ちょっと地味な存在である都営三田線が気に入っております。


西が丘によく観戦に来られる方のなかには、もっとたくさんルートあるよっていう声もあると思います。間違いないです。公共交通機関にレンタル電動自転車なんかをかませると、もういくつかの電車路線へアクセスが可能です。おあつらえ向きにレンタルサイクルのポートもあります。

実際、東京23区の北部、北区・板橋区あたりは坂さえクリアできれば軽々どこでも行けます! (そしてこっそり書いておきますが、東京出身じゃない私から見ると東京の区部ってやっぱり小さいんですよ。人はいっぱいいるけど。)

スタジアムの近くには赤羽スポーツの森公園とそのなかに競技場があり、こちらは都リーグの試合を観戦しにいったりするグラウンド。周りにはランニングコースがあり、のんびりランニングしている人もよく見かけます。ランニングコース以外でもこのあたりは走って気持ち良いところが多い気がします。だいたいの大きい道はまっすぐで、見通しが良くて気持ちいいんです。

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実は、このスタジアムから自転車で10分ほどのところに住んでいたことがあります。本蓮沼駅のとなり、志村坂上駅の近くに住んでいました。


引っ越す前の話。志村坂上に良い賃貸物件を見つけたあと、街についてネットサーチしていて気になったことがありました。

「このあたりの匂いが気になる人がいるらしい」

たぶん、マンション評価関連のサイトなんかだったと思うのですが、近隣の工場から出る匂いが苦手であきらめたとか、時間帯に気をつけろだとか、いくつかネガティブな意見が見られて、ちょっと気落ちして現地に向かったのでした。

人によって気になる匂いは様々です。嫌いな匂いにさらされていると、ちょっとずつしんどくなってくる。だから街の匂いがどうしてもだめだったら、物件的にも環境的にもとっても気に入ったけど難しいだろうなあと思ってたのですが、結果的に全く気になりませんでした。もしかしたら何らかの匂いが流れていたのかもしれないのですが、私にとって不快なものはなかったし、(引っ越し予定の)隣のおうちの換気扇から美味しそうな匂いがしたし、なんなら駅前の焼鳥屋通ったときもいいにおいがしたし......みたいな感じで、サクッと契約して移り住みました。


街の匂い・匂いのある街 ①鼻が見つけ出す「街」


どんな街にもその街に特有の匂いがあります。

匂いには大雑把に分けると2つの種類があり、ひとつは鼻の検出する「匂い」で、もう一つは鼻じゃなくて頭または心で検出する「匂い」だと思っています。なかにはこの2つが相互作用しあって、共通する「匂い」になるものもあるのではないでしょうか。

それぞれの街にはそれぞれの生活があり、それによりもたらされる固有の鼻で検出できる臭いがあります。生活の中において、鼻が検出する匂いというのはかなり重要な位置を占めていて、誰しも苦手な匂いの近くで生活するのはしんどくて、好きな匂いの近くで生活するのは心地よいものです。

たぶんほとんどの人が共通してだめな匂いというのは、体に悪い物質の匂いだったり、腐敗臭だったりぐらいに限られていて、それ以外の匂いに関しては、ある人は気にならないけどある人ににとってはすごく苦手みたいな、受け入れ幅の広いものかなあと思っています。

はじめは気にならなかった匂いが、だんだん文字通り鼻につくようになったり、その逆に愛おしいものになっていったり。その過程には、様々なエピソードがあって、その時の気持ちの記憶が匂いに対する好き嫌いをチューニングしたり、あるいは変えていったりすることがあります。

「あのスタグルの匂いをかぐと、最高だったあの試合のあのシーンを思い出して、幸せな気持ちになる」みたいなサポーターの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

旅することと暮らすことの違いは、たぶんこういうところにあります。

旅をして、そこで好きな匂いにであうことはたくさんあります。暮らすという過程よりも、たくさんの出会いがあるでしょう。でも、それを多層的に積み重ねて、より自分オリジナルなものにすることって、そこに暮らすことによって得られるものではないでしょうか。


私はサポーターではないのではっきりしたことはわかりませんが、大好きなチームをずっと愛して応援していくというスタイルは、この「暮らす」を愛するというスタイルに通じるものがあるんじゃないかなと思っています。

と、ここまでは鼻の検出する匂いの話。


街の匂い・匂いのある街 ②街の雰囲気とか、趣の話


頭または心で検出する「匂い」には、鼻で検出した「匂い」に紐付いた記憶をベースにして作っていったものもあるかと思いますが、ここではもうちょっと広い感じでとらえたいと思います。

すべての街には、それぞれの街に固有の雰囲気とか、趣があって、それが「街の匂い」とよばれる。

ここからは、有料公開にさせていただきます。
旅とサッカーを紡ぐWebマガジン・OWL magazineでは毎月700円(税込)で個性あふれる執筆陣による記事を毎日読むことができます。
執筆陣には、OWL magzine代表の中村慎太郎、ノンフィクションライターの宇都宮徹壱さんの他、川崎フロンターレや鹿島アントラーズ、名古屋グランパス、北海道コンサドーレ札幌、松本山雅FC、V・ファーレン長崎、東京武蔵野ユナイテッドFCなどなど全国各地のサポーターが勢ぞろいです。

​あ、そうだそうだ。現在発売中のすたすたぐるぐる、こっそり浦和生まれの私も短いコラムを書いています。是非是非読んでいただけると嬉しいです。


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