#03 ヘイト本について の感想
※これはポッドキャスト番組「本そば ポッドキャスト休憩室」の感想です。
この回のキーワード
社会的な事件が起こると、その本を置く・置かないの書店の葛藤がある
独立系書店は品揃えはお店の個性なので「置かない」という個性を強く出したほうが良い
チェーン店:ただ並べている、という状態が問題
反対の意見を載せた上でコーナーを作り、対する本も置く
本屋だから本も置くことによってやっぱりメッセージをしなきゃいけない
メンタリストな感じの人のときですよね。メンタリスト的な
売りたくない本が届いてしまう、売りたい本が届かない、置かないと売れない
何を仕入れるか、何を置くか、何を売るかっていうところには、やっぱり意思みたいなものを働かせていかないと
こういうのが可視化されて、またこういうことに悩めるっていうことはいいことなのかもしれない
インチキ健康本は返品しちゃっていいと思う。命に関わるんで
お客さんに読んでほしくないものとして置かないっていうのを明確にしてもいいとは思う
新聞広告に載ってるものを全て信じてしまう人とかもいる
感想
もし自分が書店員だとしたら、いわゆる「ヘイト本」は並べてるだけでも嫌だろうなと思う。ただ著者自身に対する嫌悪感というよりもそれを「焚きつける」出版社に対する嫌悪感の方が強い。「売れれば何でもいいのか?」と言いたくなるような本がたくさんある。ヘイト本とはちょっとちがうかもしれないが、数年前、殺人の加害者となった少年の手記本の出版を巡って一騒動あったが、あれももやもやとした。獄中からの本というと永山則夫の「無知の涙」を思い出すが、あれだって被害者遺族からしたらたまらないだろう。
翻って「健康本」、これはどちらかというと占い本のようなものだと思っている。ただしふくらはぎをもむとかそういうのだったら良いのだが、やはり配信内でも触れられているように、実際に闘病中の人を惑わせるような本というのは罪深いだろう。とはいえ医学に正解はなく、奇跡的に「インチキ」とされる健康法が効いてしまう例もあるのだろう。となると結局書店に置く、置かないに加えて、読者も「この手の本は読まない・買わない」という価値観を持って防衛していくしかない。でもなぁ、病に苦しむひとは本当に藁にも縋る思いだからなぁ。
最終的には「本になっているからといって盲信するな」というところだろうか。