見出し画像

週報:真冬のサンダーボルト

・寒くなってまいりました。風邪は流行るし日は暮れるし、野菜が高くて鍋は出来ないしろくでもない冬。首相もいまいちパッとせんし。物価を下げろ所得を上げろ、不倫をするな。ミサイル撃つなバカタレ。

・先週末が楽しすぎた反動で、特に書くことがなさすぎる1週間。振り返るにX(Twitter)と学マスしかしてない。流石にもう少しなんかあるだろ……と思ってスマホのカメラロールを見返すと、オタクのクソコラで試行錯誤した跡しかなかった。

・クソコラの本質は大喜利と同じなので、やってる間は脳がシャキッとする。X(Twitter)におけるユーモアの鮮度はいまや鯖よりも足が早いので、絶えず瞬発力が試される。見た瞬間に思考を巡らせるくらいでなければとても消費速度に追いつけないが、最近はついに冷笑すらも超えてインターネットからの本格的な解脱が進んでしまい、祠も壊し損ねたし悪魔召喚にも失敗してしまった。もっとも今更そんなのでウケを狙えるほど俺の相互もヤワじゃないが。そんなにはバズらなくてもいいから絶えずややウケた〜い!

・今期のイチオシは「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」の4期。もはやアニメですらなく台湾発の人形劇なのだが、これが本当に面白い。1期の頃から夢中で見ているのだが、いまいちウケが悪いのかシーズンが進むほどに放映の規模が縮小されて、いまや地上波放送はTOKYO MXを残すばかりになってしまった。いちおうAbemaTVで最新話のみ無料配信されているが、基本サブスクにはなく、その他の合法的な視聴オプションは全て有料なので、このご時世に人に薦めるには極めてハードルが高いと言わざるを得ない哀しみを背負っている。

・とはいえ本当に面白いのですよ……。脚本はあの虚淵玄。ニトロプラスで慣らし、アニメ業界における10年代前半を席巻した彼が手がける最新の本は実はこんな所で拝めます。良くも悪くも未だに「沙耶の唄」や「まどマギ」などのステレオタイプからエグい話を想起されがちだが、今回はあまりそういう色はなく、表面的には無頼の侠客「殤不患(ショウフカン)」が悪党どもをバタバタと薙ぎ倒す……というような感じ。たかが人形劇と侮るなかれ、アクションシーンは日本のアニメのそれと遜色なくて初めて見た時は仰天した。

・早い話、以下の動画を見て好みだと思った人はバチクソにハマると思う。(胡散臭く思えるが公式の切り抜き動画)

・お分かりのことと思うが、当方「北斗の拳」や「ニンジャスレイヤー」然り、この手のめちゃくちゃ強い主人公が処刑用BGMを引っ提げて強敵をひと息に倒す展開が大好きです。キャスト陣も虚淵脚本のアニメでは常連の大物声優ばかり。本当はこのまま多くは語らずに見てほしいところではあるが、今回は加えて特別にイチオシの大トロみたいな場面も特別にご紹介しておく。以下、5分だけ俺に時間を下さい!

・簡単にあらすじを話すと、かつて人間の世界を蹂躙した魔神を封じた聖剣を巡る諍いに巻き込まれ、盗賊集団「幻鬼衆」に付け狙われる羽目に陥った殤不患たち一行。しかし、物語の地である東離(トウリ)より遠く隔たった西幽(セイユウ)の国から来たと宣う胡散臭い彼の素性はパーティー全員から疑われていた。それというのも、東離と西幽の国境にある「鬼没ノ地」は魔族や竜が跋扈する魔境であり、そんな場所を単身で踏破できる人間は居ないと考えられていたため。

・そんな中、仲間のひとりが未だ得体の知れない不患の力量を揶揄して「刃無鋒(=切れない刀、なまくら)」との二つ名を付ける。そこに彼らを付け狙う玄鬼衆の一党が現れ……。

・なおここまで見ると、いかにも殤不患が主人公といった感じで実際それは間違いではないのだが、実はもうひとり別に主役が存在する。それが鳥海浩輔演じる「凜雪鴉(リンセツア)」である。彼の活躍シーンに関してはおよそ全てが物語の核心に近いネタバレになってしまいかねないのでここでは敢えて秘しておくが、実に虚淵作品らしい酔狂なキャラクターであり、魅力の程は太鼓判を押しておく。最終的にこいつの一挙手一投足を見るためにこの作品はあるのだと分かる頃には、貴方もサンファンの虜となっている事間違いなしである。

・直球の鬱展開はほとんどないとはいえ、やたらと芝居がかった難解な言い回しや、キャラクターが良かれと思ってやった事が尽く裏目に出て最悪な方向に転ぶなどの要素はかなり「仮面ライダー鎧武」や「Fate/Zero」的ではある。2期、3期と続けて見ると大物の速水奨や妖艶な悠木碧、可哀想な大塚明夫などの好演に巡り会う機会も増えるので、出来ればお金払ってでも見てほしいなと思うております。それだけの価値は確実にある。来年には最終章として劇場版の公開も控えているので何卒何卒……。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集