昨今のマンガのセリフの多さについて思うこと。
たまに、マンガのセリフの多さに不満を述べている人がいる。
作家の問題もあるが、セリフの多さには読者にも原因がある。
少し前にマンガのコマをどの順に読めばいいか分からないという
SNSでの投稿を読んだ。
現代はマンガのコマの進み具合ですら分からない人がいるのだ。
同様にマンガのセリフも同様でマンガの描写とストーリーが理解できていない人のために
細かく説明しなければならなくなってしまっている。
それだけに推理作品であったり、ちょっとした頭を使う戦術的な説明や
伏線回収の説明などにも、事細やかに説明する必要が出てきてしまった。
簡単に説明は出来るし、本来であればそれだけで「なるほど」と納得できてしまうのだが、
昨今の読者は「なぜ」「どうして」「リアルと違う」などという疑問点が強くなっている。
「なぜ」に関しても登場人物の行動を見ていれば分かる話なのに、
いちいち説明しなければならなくなり、
「どうして」という部分に関しても、わざわざ種明かしを細かく説明する必要が出てきており、
そこに『イメージする』という能力の欠如が顕著に見る事ができる。
そして一番厄介なのは『リアルと違う』である。
マンガの中の話なのだから、リアルと比べる事自体がおかしい話で。
いくら現実によせてあるような作品でも、それはリアルではない『架空の話』である。
それがまず理解できていないという所が問題なのだ。
いわゆるフィクションとノンフィクションが全く理解できていない。
自分が読んでいるのは現実である話と思っているのか、
リアルと違う所を指摘することで自分が編集者にでもなった気になり
作家に指摘する事に優越感を得ているのか、
どちらにしても読者としては少々問題のある読者だろう。
まあ何にしても、セリフの多さは作家だけでの原因ではないのだ。