美しいもの
私の周りには、美しいものが溢れています。
外を歩けば、空、雲、光、輝く川や湖、木々のシルエット、季節の花、蝶、甲虫、コンクリートの外壁、光る瓦、雨にさらされて変色した金属の扉、商店街のお花屋さん、磨りガラスの窓、巨大クレーン、取り壊された建物の鉄屑、ブラウンの光沢を放つ車、駅の天井の骨組み、珈琲屋さんのサイフォン式コーヒーメーカー、美術品みたいなカップとソーサー、カフェ店員さんのグリーンの髪、雨の日の夜に濡れてカラフルに艶めくコンクリート、傘の内側から見る水滴、闇に浮かび上がる街灯・・
家の中には、大きなサンキャッチャー、部屋の中にできる虹、天然木のテーブル、ヘアライン加工が施された重厚なステンレス、銅製コースター、樺細工のコースター、花屋さんで買った花、カメイガラスの花瓶、ホヤガラスのグラス、職人の手で丁寧に編み上げられたワイヤーバッグ、シンプルで上質なラップドレス、シルクの枕カバー、ベルベットやサテンの大きな布、艶のあるダークグリーンのカーテン、濃い紫のちりめん風呂敷、ウォールナット無垢材のティッシュボックス、琥珀色のガラス食器、南部鉄器の鉄瓶、カッパーゴールドのタンブラー、ドリップケトルの注ぎ口の曲線、スピーカーから流れる強く優雅なバイオリンの音色・・
数えきれない、多種多様な美しいものたち。
記憶の中にも、自分だけの想像の世界にも、無数の美しいものがあります。
分野を問わず「こんなに美しいものが、世界にはあるのだ」と日々知ることが、私にとって生きていく希望になっていて。
いつの日からか、毎日美しいものを一つ残らず見つけ出すようにして生きるようになりました。
そして、自分が見つけた美しいものを、誰かに届けながら生きていきたいーーそう思うように。
それがひと時でも、その人の癒しや素敵な刺激になるかもしれないから。
だから私は、自分が最も強く美しさを感じるものの一つである「ヴィンテージコスチュームジュエリー」をセレクトすることを仕事にしています。
これからもこの分野で、誰かに「美しいもの」を届けられるよう尽くしていきたい。
