モチベーションは「書きたい」ではなく「読みたい」
たまに「書くモチベーションは何か」といった質問をもらうことがあるのですが、書くのが楽しい、ということはあるにしても、一番大きな原動力は「読みたい」という気持ちだなと思います。
もともと二次創作で小説を書き始めたのも、好きなカップリングで好みの暗い話があまり見つからなかったからというのがあります。
もっと増えてくれ……といくら願ってもマイナー趣味の場合、たいがい実現しません。
ですが、自分で書けばひとつは確実に増えます。
供給の多いメジャーな嗜好だったら、自ら生み出そうとはあまり思わなかったかもしれません。
二次創作から離れて今はオリジナルがメインですが、「(BLで)ループものが読みたい」とか「本気で受の性格が悪い話が読みたい」とか、「何かを信じ込んで、嘘だったとわかっても捨てきれない話が読みたい」とか、色々な読みたい気持ちが満たされないので、やっぱり自分で書いています。(むしろそういう既存作品があったら教えてほしい……!切実です)
実際、書くことはかなりの部分が読むことで構成されていて、書く過程においてはかなりの時間を「書いたものを読むこと」に費やします。
読み返し、書き直し、また読み返してやっと文章は固まっていく。
作者は誰よりも自分の書いたものを読んでいるし、読まざるをえない。だからこそ私は読みたい話ではないと書きたいと思えないし、書けないのだと思います。
ちなみに、もともと自分が読みたくて書いているので、「小説家になりたい」という気持ちもないです。
無限に好みの話が生成される状況が生まれたら、自分は書かなくてもいい、とも思います。
ただ現状、残念ながら人が何かを読むスピードは何かを書くスピードより遙かに速いのです。
作者が何日も、何ヶ月もかけて書いたものも、読むのは一瞬です。どんなコメントとともに読み捨てたっていい。それが読者です。
でもいくら作品に不満を持って、「もっとこうだったらいいのに」と思ったとしても、作品も作者も何も変わりませんし、好みの小説が自動的に生まれてくるということもありません。(少なくとも今のところは)
だからやっぱり書くしかないのだなと思います。
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