見出し画像

そしてイベントに申し込むのをやめた

2020年。
夏にはオリンピックがあるので、その前の5月のコミケが1つの山かなと思っていました。
まず4月開催のJ庭に申し込みし、新刊をしばらく前から準備してスペース当選、装丁の工夫をいろいろと考えて入稿をしました。
新刊を告知して、通販予約も開始していました。

そしてイベントの中止がアナウンスされました。
新刊は予定通り発行しましたが、半年近くかけて通常のイベント一回ではける程度の数がようやく売れた、という程度です。

5月開催のコミケに申し込み。
百合でスペースを取るのは初めてでどきどきしながら当落を待ち、当選。新刊もほとんど完成していました。
ですがやはり、中止。

J庭の新刊の通販状況をみて、新刊はkindle版だけで発行しました。
amazonのレビューなどを見る限り好評ではありますが、紙の本を出していないことにより売れ行きがいい、ということは特にありません。
裏表紙まで含めたデザインを納品してもらっていて、本文の印刷用pdfもできていますが、8月現在でもまだ印刷はしていません。

緊急事態宣言による自粛期間を経て、やっと落ち着いてきたかと思い9月のコミティアに申し込み。
表紙イラスト、デザインを作成納品してもらい、本文もほぼ校正が終わるというところでした。
デザイナーさんに紙のおすすめや遊び紙についても提案して頂き、とてもわくわくしていました。
しかし、イベント中止。

8/5本日が10月のJ庭の申込期日でした。
でも、もう申し込みませんでした。

コミティアで発行予定だった新刊はほぼ準備できているので、発行はしたいと思います。

状況を見れば電子書籍版のみを発行するのが一番無難です。
紙の本を作らないでいいならひと月3000円以上かかるIndesignは契約しなくていいし、委託書店への細かい申請をしなくてもいいし、在庫の置き場所を心配しなくてもいい。Photoshopの契約もやめてもいいかもしれません。なんだかんだきっと、月5000円くらいは浮きます。
私も個人的には読者として電子書籍を愛用もしているし、紙の本にこだわるのはアナクロで自己満足なのだとも思います。

でもそれでも、私は紙の本を手に取る喜びのために本を出してきました。
イベントに出るのは疲れるし、大手のようにめちゃくちゃたくさんファンの方が押し寄せるわけでもありません。
でもイベント会場の空気の中で手に取る紙の同人誌が好きです。声をかけてもらうのも、差し入れをもらうのもとてもとても嬉しいです。
自己満足でいいし、私はどこまででも自己満足を追求したい。たぶん、紙の本を発行しなくなったら電子書籍も出さなくなると思います。

正直なところまだ迷っていますが、9月コミティアの新刊は紙の本も発行するつもりです。
それではまず赤字ですので、少し遅らせて電子書籍版も出します。でも、まずは紙の本を発行します。

イベントに申し込むのをやめたのと同様に、紙の本の発行もいずれやめるかもしれません。
それより前にコロナ禍が終わるかもしれません。
終わらないかもしれません。
在庫の整理をしながら少しだけ泣きそうになりました。
率直な現状の記録です。

頂いたサポートは新しい本作りのために使わせて頂きます!