本は三次元なので小口を工夫すると楽しい
普段、私はどちらかというと電子書籍派です。
基本的にkindleで本を読みますし、マンガも電子書籍サイトやアプリを利用して電子で読んでいます。
ですが電子書籍と紙の本では様々に違う点があります。
手触り、重さ、判型……。
何より大きいと感じるのは、紙の本は三次元であることです。
今読んでいるのが全体のどのあたりなのか、感覚的に常に把握することができます。
本の小口、つまりページの厚み自体に加工をするというのは、絶対に紙の書籍でしかできない面白さです。
そんなわけで最近の本は小口の加工に凝っていました。
1 疑似小口染め
最初に試したのは、一番手軽な疑似小口染めです。プラスアルファの納期や料金もいりません。
疑似小口染めは、本文の端を塗っているだけで、紙の厚さに直接色をつけているわけではありません。そのため、角度によっては真っ黒というわけでなく灰色っぽく見えます。
2 紙替え
紙を塗るのではなく直接変えてしまう方法です。小口染めは通常一色のみですが、この方法だとよりカラフルにすることができます。
ネックとしては納期も長く、費用もかなりかかりました。(この本はまだ赤字です…)章の区切りと紙替えが一致するよう、印刷所さんとも調整しました。
今回は色上質紙を使っており、たくさんの色があるため選ぶのが楽しかったです。
欲を言えば短編ごとの長さを揃えてみたかったです。
3 小口染め
前の二冊と比べると、直接塗っているので発色が断然きれいです。
ネックとしてはPP加工が必須になることと、納期が長くなること、費用も増えることがあります。
こちらはSTARBOOKSさんのオレンジ色です。
小口染めはだいたいパキッとした色なので、シンプルすぎる装丁や淡い印象のものとは合わせにくいと感じます。
今回は主張がわりと強めの表紙で、色もデザイン上オレンジで合わせられたので、ちょうどよかったかなと思います。
4 今後やってみたい小口加工
印刷所のHPを見ていると思った以上に小口にできる加工は多く、夢が広がります。
小口に焼き印を入れる、そんなこともできてしまいます。
焼き印にふさわしいのがどんな本なのか今のところ思い浮かびませんが……。
小口に直接印刷するのもわかりやすく華やかで素敵です。
また小口に箔を押すこともできてしまいます。
何かの豪華版やゴージャスなアンソロジーの時などに使ってみたいです。
小口の印刷は疑似で再現することもできますが、データの取り扱いを誤ると意味のないものになってしまうので、なかなか勇気がいりそうです。
加工を考えるときはどうしても表紙に重点が偏りがちですが、それだけでない楽しさを味わえるので今後も機会があれば色々試してみたいです!
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