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「おかえり、ウミガメ」を拝読して

新しいウミガメの写真・絵本が出ました(2021年4月発行)。詳細はコチラ

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日本で一番産卵が多い、屋久島のアカウミガメの話し。

水中写真家・高久至さんが、屋久島に住む彼の視点で島にやってくるウミガメを追う形で、一年間のルーティンを、アカウミガメの生態情報も交えながら話が展開されていく。

写真だから、実際にどんな環境のビーチで産んでいるのかとか、次の産卵までの間、水中でお母さんたちはどうしているのかとか、海での交尾の様子とか、普段都会や陸に居ては見えないウミガメ達の様子もリアルに感じられる。

ウミガメ保全・調査をしている立場から見た、
この本のいいところ!

1. 彼が主体で物語が展開していくので(つまり人目線)、ただウミガメの生態を語る本よりウミガメに親近感を持てる。話しに入りこめる。

2. よくこんなシーンも撮影できたなって写真がある
十数年現場でカメを見て来た立場だから、よ~く観察していたり、足しげく通っていないと撮れない写真が含まれていることが、よく分かる。また、タイドプールにはまった赤ちゃんガメとか、ELNAの活動地では見ないので(そもそもタイドプールが無い)、違う環境だからこそ見れる「あ、こんなこともあるんだ」っていうのも、ウミガメを(比較的)よく知っている立場で見ても面白い。

3. 生態についてとても分かりやすい。観察しているからこその細かい描写が含まれていて素晴らしい。一般的にあまり書いてないかなって情報も含まれている

4. 写真がとにかく綺麗。
アカウミガメは、北太平洋では日本でしか産卵しない種類。つまり、カリフォルニア沖でアカウミガメを見たとしたら、それは日本産のアカウミガメなんです。アカウミガメの重要な産卵地である日本、なのに本州沿岸では産卵可能な砂浜の環境悪化が深刻な問題になっている。。。
この写真集の舞台の屋久島は、日本最大のアカウミガメ産卵地。沢山のアカウミガメが産卵地に選んでいる実績を持つだけあって、素晴らしい産卵環境が残っている(適した環境がなければウミガメ達は産卵場所を変えざるを得ないから)!
この写真集・絵本(どっちやねん)を見ると、とても美しい写真が多く、楽しめる。


◇こちらの記事で、高久さん撮影したアカウミガメの動画が見れました!→こちら

(朝日新聞デジタル:旅立つ子や海底で眠る母 屋久島のウミガメ10年の記録に飛びます)


ところで、この本と出合ったのは、高久さんがELNAカレンダーに写真を応募/提供してくださったことがキッカケでした。

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↑ ご提供いただいた写真 ↑
ウミガメの交尾場所は種類によって異なり、また種によっては場所がまだ明らかになっていなかったりする。なので、屋久島の交尾場所についてお聞きしていたところ、色々質問を受けて、この本の作成のことを伺いました。

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しかもサインいただけて嬉しい。↑

高久さんによると、最近の屋久島では産卵数の減少や砂浜の環境悪化が見られるそう。人間の営みももちろん大事だけど、一方でウミガメが安心して産卵できる静かな、美しい自然環境も残していけたらいいなって、この写真を見ていて思う。


この本は、大人でもお子さん向けでもどちらでも楽しめる、良い本でした。
お子さん向けに環境問題や自然、ウミガメのことにも関心を持っていただく教育的目的に使うも良し。大人向けに自然や知識を楽しむとともに、写真に癒されるも良し。孫へのプレゼントにも◎。

多くの方に手に取って読んで欲しいなと思い、ELNAショップでも取り扱い中。ここから買っていただくと、ウミガメ保全にも役立ちますのでお買い求め、いただけると嬉しいです。
ELNAショップで「おかえり、ウミガメ」を購入



アカウミガメについて、別途記事書いているので、よろしければご覧ください
日本といえばこのウミガメ=アカウミガメ ~種類ごとの特徴③


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