【詩作日記】 「134 / 回廊の影」
ゆきゆきても手足痺れて空を見る
空の向こうの諦念の淵に咲く花想像し
花散りゆけば波
波崩れゝば月
月の軌道風の道 押し分けて進めども何も見えず
みちみちて返す言葉の希薄さに
薄絹の手触りもおかしくたゞ坂を上がる
坂の途中 雨
雨降れば道潤うかほり
かほり立つ季節の中 遠き遠き回廊の影へ帰りたし
さんざめく街頭過ぎて呼び止める
止まる思考の裏側に忘れ難き日本塀の街
街過ぎ去りし時
時移ろえばまた逢いし人
人もまた移ろい行けば今日の日もまた夢のごとく