【詩作日記】 「134 / 夢を流す」
波静かな海岸を前に
夜風の中 とりとめもないことを考える
まとまるような考え事など持ち合わせていないけど
とりあえずは夜風に吹かれながら海をじっと眺める
思い立ってこゝまで来た理由は何だったのか
とうに忘れてしまった ただ僕はバイクの上で海を眺めている
波の音しか聞こえてこない静かな夜
やっぱりこゝに来て良かった 良かったのだろう
歯がゆい思いもやるせない気持ちも
冷えた夜風がそっと僕の肩から剥がし去ってくれるだろう
淡い夢も儚い思いも すべては幻だったと宥めながら
寄せ返す波の音だけが今の僕の前にある全て
今日 こゝに来て良かった 本当に良かった
冷めた夢の幻達が今 仄かに光りながら遠ざかっていく