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自由律俳句集「食べられる退屈」

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拙作自由律俳句集「食べられる退屈」の過去投稿分を集めました。
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2021年12月の記事一覧

【自由律日記】「食べられる退屈(66)」

【自由律日記】「食べられる退屈(66)」

 言いたいことパワポで説明

 昨日食べたアイスクリームの冷たさ忘れる

 アケビの実を持ち帰る遠い昔

 今日も誰かの誕生日であり命日でもある

 たった今無駄の上に乗った退屈流される

【自由律日記】「食べられる退屈(65)」

【自由律日記】「食べられる退屈(65)」

 鼻血出し空見上げ流れ星

 風に揺れぬブランコ見つめ

 風もなく揺れるブランコ見入る

 頭のリセットスイッチ使い過ぎてもう働かない

 卒塔婆を集める

【自由律日記】「食べられる退屈(64)」

【自由律日記】「食べられる退屈(64)」

 数万年の鯨空を駆ける

 バビブベボの友はハヒフヘホに非ずパピプペポ

 北国の朝の光 リンゴ恋しくなる

 小魚でもたくさんいればいゝ

 同類に見え嫌悪感沸く
 

【自由律日記】「食べられる退屈(63)」

【自由律日記】「食べられる退屈(63)」

 旅に出ればそれがいつも素敵なこと

 あの時が最後だったかと思い出す

 どこへ行こうと痒いものは痒い

 地図がなくとも足はある

 〇番線から月の汽車出る

【自由律日記】「食べられる退屈(62)」

【自由律日記】「食べられる退屈(62)」

ある者にとっての美はまたある者には絶望

愛しさに心のゆとり蝕まれこれぞ恋と悟る

人に花を持たせ自分が咲く

かすみ草畑の中で夢見る

咳払いするが如く物忘れ

【自由律日記】「食べられる退屈(61)」

【自由律日記】「食べられる退屈(61)」

狐の里でたんぽぽ茶すゝる

放置した退屈 空気冷やす

人との関わりで余計な退屈また増やす

開き始めた花咲くまで見届ける

ゆとりのない部屋のゴミを隅に追いやる

【自由律日記】「食べられる退屈」(60)

【自由律日記】「食べられる退屈」(60)

知らぬうちタイヤに穴があく

退屈とは人が生きている証

叢踏みしめウサギの息探し

度が過ぎて今日もまた何も得ず

雑踏で手足に逃げられる