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自由律俳句集「食べられる退屈」

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拙作自由律俳句集「食べられる退屈」の過去投稿分を集めました。
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2021年11月の記事一覧

【自由律日記】「食べられる退屈」(59)

【自由律日記】「食べられる退屈」(59)

友乗せて船が港にやって来た

ラグタイムで身体動かす

過度の緊張は強烈な睡魔

海原に浮かぶ島に石投げる

青深々と時を吞み込む

【自由律日記】「食べられる退屈」(58)

【自由律日記】「食べられる退屈」(58)

 黒玉西瓜食えるのかと目疑う

 遣らずの雨と喜んだら叩き出される

 世界に佇み梢を探す

 河原に縞模様の石のみ目立つ

 言いたいことすべてマンホールの中

【自由律日記】「食べられる退屈」(57)

【自由律日記】「食べられる退屈」(57)

 遠くのコンビニを選んで買物する

 あとは下るだけの観覧車の退屈

 明日の希望まだ遠く時計見て待つ

 今日は何を決めた

 瑞々しき言葉揮発して

【自由律日記】「自由律俳句 / 食べられる退屈」(56)

【自由律日記】「自由律俳句 / 食べられる退屈」(56)

 遠くを見て加速する

 水着素材のおむつそれほど優秀か

 どれだけ金に執着する

 !の使い過ぎ見苦しい

 流れる風景に逆らい大仏立つ

【自由律日記】「食べられる退屈」(55)

【自由律日記】「食べられる退屈」(55)

 蜩の声が響くとリセット

 雨から逃げたくて走る
 
 大阪では四六時中ボケ突っ込み

 生まれる前の記憶を呼び覚ます音

 バイクで走る 逃げた春に追いつくため 

【自由律日記】「食べられる退屈」(54)

【自由律日記】「食べられる退屈」(54)

 似たもの同士も好き嫌いはあり

 星に冴えを感じぬ熱帯夜

 別れゆく友さらばの言葉もなく

 留守電の件数だけ溜息

 日常に意味を求める理由とは