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自由律俳句集「食べられる退屈」

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拙作自由律俳句集「食べられる退屈」の過去投稿分を集めました。
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2021年9月の記事一覧

【自由律日記】 「食べられる退屈」(45)

【自由律日記】 「食べられる退屈」(45)

 眠っている時間が勿体ない

 気もそゞろで橋渡る

 私は失敗作

 深呼吸して窓の外見つめる

 詩なんか書いて何考えている

【自由律日記】 「食べられる退屈」(44)

【自由律日記】 「食べられる退屈」(44)

 戯れ言ばかりの日記帳焼く

 バス停で深く考える

 弟は来年も四歳

 読書もできず口の中に荊

 誰かのエゴに苛立つ己のエゴ

【自由律日記】 「食べられる退屈」(43)

【自由律日記】 「食べられる退屈」(43)

 松茸ご飯と知りジャーの蓋閉める

 感性をいまいちど研ぎ澄ませられゝば

 大荷物でボートが沈む

 友人に誠実でないと嘆く

 何抱えて今日を終える

※ルビふり実験をしてみました

【自由律日記】 「食べられる退屈」(42)

【自由律日記】 「食べられる退屈」(42)

 呼吸の乱れ悟られる

 退屈の有り難み思い知る

 さっきまで晴れていたのに

 腹の減らない香りがする

 定期的に泣き笑い

【自由律日記】 「食べられる退屈」(41)

【自由律日記】 「食べられる退屈」(41)

 冷たい雨から逃げられず

 自分から魂が抜ける

 美声で歌う石拾う

 訳もなく急ぎ足

 昔の村の記憶が蘇る

【自由律日記】 「食べられる退屈」(40)

【自由律日記】 「食べられる退屈」(40)

侘しさ連れて暴走族やって来る

 故郷の秘密基地見つけられず

 失敗してまた作り直す

 名前も知らぬ親子が懐かしい

 あの頃の夜はもっと健全だった