マガジンのカバー画像

自由律俳句集「食べられる退屈」

88
拙作自由律俳句集「食べられる退屈」の過去投稿分を集めました。
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

【自由律俳句】 「食べられる退屈」(23)

【自由律俳句】 「食べられる退屈」(23)

 捕らぬ狸の皮もたまには杖になる

 情報の氾濫が恐ろしい

 家が一番遠い事もある

 音声と文字以外の言語が最も確実

 暇つぶしは余計に退屈

【自由律日記】 「食べられる退屈」(22)

【自由律日記】 「食べられる退屈」(22)

 これからなのに川の底

 写真にまでチューするのか

 道ばたで拾った財布の行き先を案じる

 自分なき後の世界は明るいはず

 もう少しだけ夜更したくなる東の空白む

【自由律日記】 「食べられる退屈」(21)

【自由律日記】 「食べられる退屈」(21)

 品行方正 謹厳実直 天網恢々疎にして漏らさず

 贔屓チームの負け試合は究極の退屈

 日も暮れてきた夕飯作ろうか

 退屈は誰にでも平等でやって来る

 吹く風を見た者はおらず

【自由律日記】 「食べられる退屈」(20)

【自由律日記】 「食べられる退屈」(20)

 祭りの翌朝散歩をする

 懐かしい人との再会帰郷とよく似る

 人の見ぬところで何かゞ行われる

 うち捨てられたゴミが昔を語る

 たまには黙って消えてみよう