国内の公衆衛生大学院紹介
どうも、Ellieです。
この記事を書くと言いながら、気付いたらもう私のMPHの旅は修了しておりました。首を長くして(?)待っていた方、大変お待たせいたしました。
ということで、国内の公衆衛生学修士(MPH)が取得できる大学院の紹介を(私の独断と偏見で)していきたいと思います。
Master of Public Health(公衆衛生学修士)とは?
まず、MPHってなにそれ?美味しいの?というところから説明します。
いま、国内にMPH(Master of Public Health)の学位をとれる大学院は全部でいくつあるのかは、日々増えているため全て把握できているか怪しいのですが、大きく2つ種類があります。
それは、公衆衛生専門職大学院と公衆衛生大学院プログラム校です。
専門職大学院については、
こちらの記事にまとまっているのでご参照ください。
というか大学紹介もわりとここに載ってます。のでこちらもご参考にどうぞ。
まとめると、2つの違いは、文科省の認可を受けているかどうか、です。
で、学位としては、
・専門職大学院は公衆衛生学修士(専門職)
・プログラム校は修士(公衆衛生学または社会健康医学)
がもらえます。
ちなみに英語にすると、どちらもMaster of Public Health、そう、MPHです。
何が違うかについては、まぁみんな色々言い分はあると思うけど、ぶっちゃけそんなに変わらないとは思います。
どちらがいいかについても、学位がどうかっていうより、大学で学びたいことが学べるか、自分に合っているか、の方が大事かなと思ってます。
どちらにしても、公衆衛生基本5領域(疫学、生物統計学、社会行動科学、保健政策・医療管理学、産業環境保健学)はプログラムに組み込まれています。
国内の公衆衛生大学院一覧
現在、国内の公衆衛生専門職大学院は以下の5校です。
・京都大学(2000年開校)・九州大学(2001年開校) →2018年から取得できる学位がMHA(Master of Health Administration)へ変更
・東京大学(2007年開校)
・帝京大学(2011年開校)
・聖路加国際大学(2017年開校)
・国際医療福祉大学(2024年開校)
そしてMPHの学位が取得できるプログラム校は、以下の15校(たぶん)です。
・大阪大学(2008年~)
・筑波大学(2008年~)
・長崎大学(2008年~)
・岡山大学(2014年~)
・慶応義塾大学(2015年~)
・東北大学(2015年~)
・広島大学(2015年~)
・高知大学(2017年~)
・北海道大学(2017年~)
・東京医科歯科大学(2018年~)
・神奈川県立保健福祉大学(2019年~)
・静岡社会健康医学大学院大学(2021年~)
・青森県立保健大学(2022年~)
・順天堂大学(2023年~)
・群馬大学(2024年~)←NEW
このウィキペディア情報参考にしたけど、MPHじゃないのも混ざってたり新設のが載ってなかったりだったので、私調べです。もし間違ってたら教えてください。
どこの大学を選んだらいいか?
結論から言うと、自分のニーズや条件に合ったところを選んだらいいと思います。
どこに行ったとしても、きっと良い出会いや学びはあるはずです。
とはいえ、それぞれの大学の特色を知りたいですよね?
なので、私が知っている限りのリアルな(?)各大学の特色とメリット・デメリットをお伝えできたらと思います。
先に言っておきますが、あくまで独断と偏見で書いており、異論は認めますので、もしご意見等ある方はご連絡ください。適宜追記・修正します。
ちなみに、私が在住しているのが関東圏なので、それ以外の地域の大学院にはあまり詳しくありません。
情報いただける方、大歓迎です!
各大学の特色、メリット・デメリット
ということで今回はごめんなさい関東圏のみです。それ以外はまた余裕があれば書きます!
東京大学大学院公共健康医学専攻
https://www.m.u-tokyo.ac.jp/sph/major/about/
【特色】
1年コースと2年コースがあり、1年コースは医師が多いです。定員は各10名と20名で、計30名です。
1次試験で統計学や公衆衛生の基礎知識が問われます。あと2次試験の面接が圧迫です。入学するためには、ちゃんと勉強する必要があります。
医師、コメディカルが割合としては多いですが、非医療職もそこそこいます。
2年コースだと、論文パブリッシュするのが当たり前のような風潮はあります。なので、研究力をしっかりつけたい方には良いと思います。
研究が好きな人、研究職になる人が多い印象です。
【メリット】
・日本を代表する一流の教授陣から講義&研究指導を受けることができます。
・さすが東大、卒業生ネットワークが(繋がりもメンツも)強いです。アカデミアとの人脈を作りたいなら、やはり一番強いと思います。
【デメリット】
・さすが一流の教授陣なので、なかにはクセがあったり厳しい方もおられるようです。入学には勉強が必要で、二次の面接はなかなか厳しいと有名です。
・学業を優先するという念書(?)を書かされるので、フルタイムで働きながら通学するのは厳しそうです(ただ、一応長期履修もできたり、働きながら通っている方もいるようです)。
帝京大学大学院公衆衛生学研究科
【特色】
1年コースと2年コースがあります。定員は各10名と20名で、計30名です。
入試は1年中やってます。入学のハードルはそんなに高くなさそうです。
コメディカルが多いですが、わりと多様で個性的な(?)学生が集まっています。
授業は平日の日中ですが、オンデマンドも可?なので、働きながら通学している人もいるようです。
在学中に自治体や企業などと一緒にプロジェクトをしたり、様々な活動をしている学生が多い印象です。
あと先生方がフレンドリーで、ハッピとか着ちゃう。
【メリット】
・ハーバード大学と連携して、毎年特別講義があります(英語)。外部は有料ですが、学生は無料で受けられます。
・私立のわりには、学費が安いです。レベル的にも、専門職大学院のなかでは一番手軽な印象。
【デメリット】
・他の専門職大学院と比べるとネームバリューはいまいちです。
・平日フルタイムで働きながらの通学は(長期履修もできるので不可能ではないかもしれないけど)結構難しそうです。
聖路加国際大学大学院公衆衛生学研究科
【特色】
1年コースと2年コース、3年コースまであります。(4年目の人も知ってます)
社会人大学院で、授業は平日夜と土曜開校です。
e-ラーニングでも受講できるということもあり、リアルタイムや対面での参加者は多くないため、グループワークは少ないようです。
英語ができて、昇進にMPHが必要な製薬業界の方には、働きながら通えるので結構人気なようです。さすが稼いでるだけあります。
【メリット】
・社会人大学院なので、フルタイムで働いている人も通学できます。
・授業は全部英語なので、英語力アップしたい人にとっては絶好のチャンスです。
【デメリット】
・学費がめちゃくちゃ高いです。長期履修だと更に高くなります。(でも海外大学院に行くよりは安いのかもしれない。)
・新しい学校というのもありますが、現時点でまだ同窓会的なのはできておらず、学生や卒業生同士の繋がりはいまいちなようです。
筑波大学公衆衛生学学位プログラム
【特色】
授業はほぼ英語です。
最近の修了生を直接知らないので、あんまり情報ないですごめんなさい。
ヘルスサービスリサーチの先駆者である田宮先生がいらっしゃるので、そのあたりの研究がしたければありかも。
【メリット】
・つくばという環境で勉強に集中できる?つくばは住みやすくていいところです。
【デメリット】
・南関東から通うのはちょっと遠いです。東京の北側近辺に住んでるならあり。
慶応義塾大学大学院健康マネジメント研究科
【特色】
健康マネジメント研究科(通称健マネ)の中に公衆衛生のコースがあります。
MBAとのダブルディグリーのコースがあったり、健マネの中にも看護、医療マネジメント、スポーツマネジメントといった他の専攻もあるので、公衆衛生以外の授業も幅広く受けることができます。
慶応と言えばの三田会もあるので、同窓生の繋がりは強そうです。
【メリット】
・公衆衛生以外も幅広く学ぶ機会があるので、色々学びたい人には良さそうです。先生も面白そうな方が多いです。
・慶応ブランドがほしい方はぜひ。
【デメリット】
・やはり学費は高いです。
東京医科歯科大学
【特色】
完全に英語のMPHプログラムで、ウェブサイトや案内も英語オンリーです。なので、海外から来る学生が半数以上のようです。
出願時の英語スコアがTOEFL iBT 80もしくはIELTS6.5以上が必要なので、そこそこの英語力が必要です。
最近話題のプラネタリ―ヘルスの授業もあるなど、グローバルヘルスには強そうです。
研究者や国際機関を目指す方の養成がメインみたいなので、そちらに興味のある方には良いかもしれません。
ちなみに、私はこちら出身の方と出会ったことがないため、実際のところはよくわかりません。
【メリット】
・ハーバードやジョンズホプキンスの先生もファカルティになっており、海外大学院に行かなくても同様の内容を学べる可能性があります。
・留学生がほとんどなので、国内にいながらグローバルな繋がりができそうです。
【デメリット】
・ある程度の英語力がないとそもそも入学ができません。ハードルは高そうです。
神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科
【特色】
社会人大学院なので、授業は平日夜間と土曜日オンリーです。
留学生も毎年数人入ってくるので、英語だけでも卒業できるプログラムになっており、必修は全て英語、選択は日本語もあるので全体でみると半々くらいです。
定員18名と少なめなので、先生との距離が近く、先生方は皆フレンドリーでサポーティブです。
県立なので県との繋がりもあり、政策につながるプロジェクトに参加するチャンスもあります。
学生は、医師はほとんどおらず、コメディカルや製薬業界、行政、企業など様々です。教員も半分くらいは医師以外のバックグラウンドです。
【メリット】
・公衆衛生だけでなく、マーケティングや組織マネジメントなどのMBA的な要素のある科目やアントレプレナーシップも学べます。起業に興味ある人はオススメです。
・フルタイムで働きながら通学する学生がほとんどなので、学校としてそこに対する理解はあります。長期履修も多いですし、はじめから申請すれば学費は2年分と変わりません。
【デメリット】
・ビジネス色強かったりちょっと変わった人向け?なので、がっつりアカデミアでやっていきたい人には物足りないかもしれません。
・神奈川県在住じゃない人は、入学金がちょっと高めです。
静岡社会健康医学大学院大学
【特色】
こちらも新しいMPHプログラムで、テイストとしては神奈川県立保健福祉大学と似て王道の公衆衛生以外の科目も取り入れられています。
社会健康医学専攻のほかに、聴覚・言語コースと遺伝カウンセラー養成コースも新設されています。
【メリット】
・授業は金曜、土曜の開講がほとんどなので、週4くらいなら働きながら通えそうです。
・授業科目は多く、幅広く学びたい人にとっては面白そうえす。
【デメリット】
・静岡まで通わないといけないので、遠い人にはちょっと厳しいかもです。
順天堂大学
【特色】
最近公衆衛生学のコースが新設されたようです。
公衆衛生学とグローバルヘルスリサーチの2つの分野から選択可能となっており、グローバルヘルス分野は充実していそうです。
新しいところのため詳細は分かりません!誰か詳しい方情報ください!
国際保健医療大学大学院医学研究科公衆衛生学専攻
【特色】
これまでも公衆衛生学修士課程はありましたが、なぜか2024年から専門職大学院となりました。
国際保健・感染症学分野、医療福祉政策・管理学分野、疫学・社会予防医学分野の3分野あり、公衆衛生大学院のなかではめずらしく福祉系の強い大学です。
2024年新設のため、新しくなってどう変わったのかは、入ってからのお楽しみ!?情報求ム!!
群馬大学パブリックヘルス学環
【特色】
こちらは2024年新設のようです。ついに群馬でも公衆衛生を学べる場ができたようなので、近場の方は要チェックです!!
ただし募集人数は5人と狭き門?かもしれません。(今後増えるかも?)
ざっと見た感じカリキュラムは医学要素が強そうですが、医学系研究科と保健学研究科で分かれていて、看護学系とリハビリテーション系の教員もいるようです。
最後に
色々書きましたが、興味のある大学がある場合は、まずはオープンキャンパスなどに参加して、気になる点を詳しく聞いてみたり、雰囲気を感じてみたりするのが良いと思います。
MPHといっても、大学院によって特色は様々なので、ぜひ自分に合ったところを見つけてくださいね!
MPHに興味のある方が、充実したキャンパスライフを過ごせることを願っています!
なにかご質問や、ご意見・ご感想があればいつでもご連絡ください~