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彼女が始まった話

マッドマックス サーガ「フュリオサ」を見た。

前回の(いわゆる)「怒りのデスロード」…すごいタイトルだけど…も見ている。
面白いとは思ったけど、激ハマりという感じでもなく、
今回も「見よっかな~ どうしよっかな~」くらいだった。

ただ前回のフュリオサ(そして演じたシャーリーズ・セロン)がかっこよかったし、
マッドマックスに狂っている友人が激推ししてるし、じゃあって感じで見に行きました。

前作を見ていない人は置いてきぼりの映画の感想。
・フュリオサは目
・少女フュリオサはまだ少女でよい。ちゃんと少女。
・お母さん!! 強い!!
・新フュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)も強さを感じるので良い。
 →線の細さは気になるけれど、まだフュリオサが始まったばかりだからね。シャーリーズフュリオサに育つ可能性は感じた。
・立ち姿、後ろからのシルエットがとんでもなくかっこよい。
 この画のために彼女を選んだのではないだろうかとすら。
・このような過去があるから前作デスロードでの「感情・ほぼ無」みたいな大隊長だったんだね、と納得。

・おびただしい量の神話などのオマージュやらサンプリングやらが掘り甲斐を感じました笑
・車が全部バカ!笑
・中学生が大好きなものを詰め込んだ「俺の考えた最強&最高の~」映画!(褒めてます)

真面目にほんの少しだけ言うと、
これは「フュリオサが始まる」その瞬間(期間)の映画であった。
これから先、怒りと悲しみと憎しみと痛みを抱えて生き抜いていくのだ。
この先、怒りや悲しみや憎しみや痛みが癒えることなどなかったことは前作で明白で、あのフュリオサが出来上がったのだと思うと心が痛い。
ただのかっこいい女じゃないんだ。

前回、感情を表に出さなかった彼女が唯一膝をついて慟哭したシーンがあった。
今作を見たことで、あのシーンの持つ重みと深みがわかった。
フュリオサのために、一緒に泣きたくすらなった。

そんなことを思いながら
映画館のあるビルを涙目でゆっくりと降りていくと、
1階で合流の約束をしていた友人(この映画を推してくれたマッドマックス狂い)が指を三角形に組み、私に近づき小声で言った。
「V8」

爆笑しちゃった。

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